Linux PCを販売する大手ベンダも

DellがLinuxを搭載したノートPCを発表するなど、LinuxをデスクトップOSとして採用する流れは全体から見ればごく少数ながらも着実に歩みを進めているようにみえる。商用のコンシューマ向けOSと比較すると今でも粗が目立つものの最近の成果物はできがとてもよい。UIとしてのCompiz Fusionも魅力的だ。

DellはOSとしてUbuntuを採用したわけだが、Linuxにはいくつものディストリビューションがある。代表的なものに絞ったとしても数えるのに両手は使いたい。LinuxをデスクトップOSとして採用しようか検討する場合に気になるのは、やはり今どのディストリビューションに人気があるのかということだろう。

調べる方法はいくつもある。Google Trendsで傾向を調べてもよいし、DistroWatch.comを参考にしてもよいだろう。ただし、ここでは、2007年8月22日(米国時間)にDesktopLinux.comにおいてデスクトップLinuxのシェアの調査結果が「2007 Desktop Linux Survey results revealed」として公表されたため、紹介しておきたい。

同調査における投票数は38,500。1年前の同調査では14,535の投票数だった。投票数が増えた背景には調査方法を改善したこともあるようだが、ここ1年で調査に対する興味が向上している様子が伺える。

一番人気はUbuntu、openSUSEも大きく躍進 - 2強体制へ進むか

デスクトップOSの調査結果は以下のようになる。

  1. 30% - Ubuntu (Ubuntu、Kubuntu、Xubuntu、Edubuntu)
  2. 21% - SUSE (openSUSE、SUSE Linux Enterprise Desktop)
  3. 14% - Debian (Debian、Freespire、Linspire、Linux Mint、MEPIS、Xandros)
  4. 9% - Fedora / Red Hat (Fedora、Red Hat、CentOS)
  5. 7% - Gentoo

デスクトップOSでは前評判どおりUbuntuが30%の割合でトップを獲得している。ただし2007年における調査結果で注目すべきはSUSE(特にopenSUSE)が躍進を遂げている点にありそうだ。

SUSEは13%から21%へと伸びており、この1年で一番の伸びを見せた。細かいディストリビューションから徐々に特定のビッグディストリビューションの占める割合が増えているということだろう。同調査結果からではUbuntuとopenSUSEの2つが主力ディストリビューションになりつつあるということが言えそうだ。

ひとつ興味深いのは、ここのところDistroWatch.comで高い注目を集めている(ページヒットランキング2位の)PCLinuxOSが2%というシェアしかもっていないことだ。比較的最近注目されるようになったディストリビューションであるため今後伸びるのかもしれないが、DistroWatch.comとDesktopLinux.comでここまで違いが表れた点は興味深い。