【インタビュー】
『私をスキーに連れてって』(1987年)、『彼女が水着にきがえたら』(1989年)、『波の数だけ抱きしめて』(1991年)といった大ヒット映画を世に送り出し、ブームを巻き起こしたホイチョイ・プロダクションズ・馬場康夫監督。DVDがリリースされたばかりの『バブルへGO!!タイムマシンはドラム式』で監督を務めた馬場氏に、作品とその舞台となったバブル時代について振り返ってもらった。バブルにはどっぷり浸かりながらも、今もなおエンタテインメント界の第一線で活躍する馬場氏の言葉から、これからの時代を生き抜くためのヒントを見出してみよう。
――前作『メッセンジャー』(1999年)から8年。今回の作品はどういった経緯で?
「もともとタイムスリップ、タイムマシンものが好きで、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載中の『気まぐれコンセプト』でも毎年1回、カルチャーギャップをネタにした短編を書かせてもらっていたんですよ。そこで以前、日本の景気が最も悪かった1994年から5年前にタイムスリップするってネタを書いたことがあるんです。あの頃は企業がバタバタつぶれ、不良債権が発覚し、電通でタクシー券廃止、得意先に掲載誌を持っていく袋も無くなり、コピーの枚数も制限されて他の部署からもらったり……(笑)。実際、バブル崩壊後の1994年からの3年間は最も大笑いな不況の時期だったわけですけど、その時『この日本の変わり様ってどうなの?』と思ったんです。ただ僕自身、物事を距離を置いて見ることほど野暮なものはないと思っているので、バブルの頃はバブルにどっぷり浸かり、不況の頃は不況にどっぷり浸かってました(笑)。ですからある意味、この映画は自己批判でもありますよね」
――自身も経験したあの時代が何だったのか、もう一度振り返ってみよう、と。
「いや、そもそも1991年に作った『波の数だけ抱きしめて』も、1990年から1982年を回想していくという作品でしたし、『バブルへGO!!~』も映画化の話自体は2001年くらいにスタートしているので、5年がかりのプロジェクトでした。特に理由はないんですが、まぁダラダラと……(笑)。もちろんエンタテインメントとして時流に合っているかは重要ですけど、あらためて"バブル"と向かい合おうだなんて、そんな大それたこと考えてません。そもそも僕は映画にメッセージなんて込めたことないですから。こんなこと感じてほしいとか、こんなこと教訓にしてほしいとかなんて爪の先ほども思ったことないですよ(笑)」
――では、馬場監督の映画作りの原点は?
「僕が映画作りで多大な影響を受けているのはディズニーの実写映画なんです。『黒ひげ大旋風』とか『ラブ・バッグ』とか『うっかり博士の大発明フラバー』とか。もっとマイナーなところでは『テニス靴を履いたコンピューター』とか『脱線あしか騒動』とか『ボートニック』とか。とにかく1アイデアで、誰が見ても『面白い!』と思える作品で、しかも特撮ものが大好きなんです。ですから、洗濯機で作ったタイムマシンに乗ってバブル崩壊を止める、というアイデアも僕にとってはものすごくディズニー的発想なんですよ。活字、演劇、テレビ……いろいろなメディアがあるけど、奇抜な発想で夢を与えられるのって映画だからこそだと思うんです」
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