【レポート】
惑星や全方位映像の可視化のためにARC Science Simulationsが開発した完全球体ディスプレイが「OmniGlobe」だ。
機能自体はシンプル。映像を球体形状のスクリーンに投射表示するだけだ。映像投射は球体内部から行われ、この球体の360°、ほぼ全方位に映像が継ぎ目なく表示されるのが特徴。
これまで魚眼レンズを用いて半球に投射するシステムはあったが、完全に球体で表示できるのは極めて珍しい。
原理としては球体株のスタンド部分に一般的な仕様のプロジェクタが仕込まれており、映像はこれから直上・上向きに投射する。
この球体内部の最頂部(北極)に半球ミラーが備え付けてあり、投射映像はここで球体内壁に全方位反射して照射されることになる。
球体スクリーンの材質はビニールコーティングされたアクリル。内部から外に向かって映像が映し出される、いわゆるリアプロジェクションシステムの1つだということができる。
前述したような惑星や天球の観測データを理解しやすい形で表示するために用いるのが主たる用途になり、納入先は博物館や研究関連施設が多いという。「日本にも3件の納入先がある」(担当者)そうで、この他、韓国に2基、ヨーロッパにも6基の納入実績があるとのこと。
ラインナップとしては直径32インチの小型タイプと直径60インチの大型タイプを用意。
32インチタイプはLCOSベースのSXGA+解像度のプロジェクタ(メーカー名、型式番非公開)をスタンド部に配しており、表面輝度は1000ルクス程度。60インチタイプはDLPプロジェクタを1基使用するタイプと2基使用する高輝度版の2タイプが用意されており、1基版は表面輝度が535ルクス、2基版は795ルクスとなっている。プロジェクタ1基版と2基版の違いは表示輝度のみで基本機能に違いは一切なし。
プロジェクタは矩形投影を行うものであるため、球形スクリーンに投射するための画像変形をしなければならないが、そうした処理はサポートソフトウェアの「OmniExplorer」で行うことが出来るようになっている。
デモンストレーションでは世界の統計データを地球上に反映させて表示させるデモや、
惑星の大気変化の移り変わり、太陽の黒点の移動の様子などを可視化した映像を流していた。基本的にはPCからの映像を投射するので、PCをインタフェースにしたインタラクティブ機能も提供できるのがユニークであった。
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