新機能、ロードマップの紹介が終わったところでメインイベントである、さまざまなバックグラウンドを持つトップクラスのディベロッパー、クリエイターら全6組によるデモバトルが開催された。以下、各組のデモについてレポートする。

ソニー「Floq×AIR×Cyber-Shot」

ソニーからは、ユーザが自分でゲームや動画など表示する機能やコンテンツをカスタマイズすることができる多機能型ブログパーツ"Floq"にAIRならではの機能を追加したデモが行われた。

デジタルカメラより作成した画像をFloq上でプレビューする機能が紹介され、続いてWeb上のPhotoサービスより取得した画像をFloqで取り込み、画像をそのままドラッグ&ドロップする様子が実演された。この機能を使用することで容易にWeb上の画像をメールソフトなどへドラッグ&ドロップすることで添付することが可能になるとのことだ。

本デモを通し、AIRの特徴として

・ユーザがwidgetをカスタマイズしてシェアできる。 ・オフラインでも使用できる。 ・IDを使用することなく使える幅が増える。 ・Plug-inの仕組みによりクリエイターやパートナーのディベロッパーが作った widget をアドオンできる。

といったことが挙げられた。また、今後の可能性として「既存のweb technologyでデスクトップアプリが作成できる。Webアプリ事業者のデスクトップ進出の壁を下げる効果がある。」と締めくくった。

セカンドファクトリー

セカンドファクトリーから発表されたデモはAIR+ColdFusionアプリケーションの事例として、ダイエット促進アプリケーション「Metabo Camp」にAIRのPDF読み込み機能を使用したもの。

TwitterやiPodと連携した既存の機能に加えて、ColdFusionにて用意された表彰状のPDFファイルを読み込んで表示する様子が公開された。

以上の開発を通した感想として

・今まで通り(Webアプリを作成するように)でデスクトップアプリを作成できる。 ・Flexは「アプリケーションとしてまとめる」ことを考えるとかなりよい開発環境と再認識。 ・CS3の他のアプリケーションとも連携するとさらに良い。DreamweaverやFlashLite でのAir開発にも期待大。 ・Webがメインのときにネットのない環境へリーチすることができる。

とったことが挙げられた。また、

・「ゴールが近いところにあるので、開発が楽。例えばPDFを扱おうと思った際、その手段がすぐに見つかる」 ・ドラッグ&ドロップなど、web開発者にとってツボをつく機能がセレクトされている。 ・とてもオープンな印象を受ける。 ・この会場のように、デザイナー/ディベロッパーに垣根なく、溶け合ったコミュニティが存在している。 ・玄人向けになりすぎずに、さらっと簡単に凄いことができる方向を目指して欲しい。

といったことも併せて述べられていた。

Seasarファウンデーション/JJUG/ISIDひがやすを氏

ひがやすを氏は、まず会場に「AIR はデスクトップアプリケーション?それともWebアプリケーション?」と問いかけながら「AIR は面白そうだけど、どうビジネスに使うか」について紐解いていった。

「AIRはデスクトップアプリケーション、Webアプリケーションと両方の側面を持っている。しかし、例えば既存のWordやExcelのようなソフトを構築できるからといって、AIRにてそれを構築したところで、果たしてAIRの開発に向いているものかは疑わしい。AIRの開発が向いているソフトを考える際に、既存のデスクトップアプリケーションを考えてみるとその要素は"スタンドアロンアプリケーション"、"クライアントサーバ情報共有アプリケーション"に分けられるが、AIRが向いているのはクライアントサーバ情報共有アプリケーションに向いていると言えよう。」と、AIRが向いた開発領域について解説した。

続いて、ひが氏はDelphiやVBで作成されたソフトにCoraleef(8月以降に販売開始予定)を使用することでAIRにコンバージョンできるデモを披露。金融システムを例に、5年前に構築された資産を新しくAIRアプリケーションに作りかえるサイクルにおいて、AIRの可能性を示唆した。