東京・お台場の日本科学未来館にて、8月1日より新展示「HallucII(ハルク・ツー)」が公開となっている。

このHallucIIは、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)とリーディング・エッジ・デザイン(L.E.D.)が共同開発を行ってきた、移動ロボットの研究活動「Hallucigenia(ハルキゲニア)プロジェクト」の最新作。今回はコックピットシステム「Hull(ハル)」とセットでのお披露目となる。

一般の操作体験も可能で、開館時から3階「VRラボ みんなのキャビン」前で先着順に受け付ける。日本科学未来館の入館料は、従来どおり大人500円(18歳以下は200円)。開館時間は10時から17時。毎週火曜休館。

ロボットコーナーのリニューアルに先立って、31日にはプレス用の内覧会が行われた。未来的であり、同時に太古の生物を思わせるHallucIIのユニークさもさることながら、HallucIIの視点で操縦を行えるコックピットシステム、Hullもかなりのインパクト。半球状のスクリーンににはHallucIIの視点による映像が映し出され、まさにロボットアニメのパイロット気分が味わえる。

8月から一般公開となるHallucIIとHullのデモンストレーションが行われた。開館中ということもあり、一般のお客さんも興味津々

Hullは左右のグリップ(3軸ハプティックデバイス)によって、HallucIIの直感的な操作が可能となっており、さらにこのグリップには反発する力を操縦者に伝える、感覚フィードバック機能が搭載されている。簡単に言うと障害物に近づくほどグリップの手ごたえが重くなるというもので、この機能はHallucIIの衝突を防ぐと同時に、いかにもロボットを操縦しているという手ごたえを体感させてくれる。筆者も体験してみたが、簡単操作でロボットが動き、しかも手ごたえまであるというのはかなり新鮮。

こちらがHallucII。56個のモーターと8つの足で縦横無尽に動き回る、モノアイ(単眼)のニクい奴

HallucIIの視点に没入できる半球状の操縦席。中央にはタッチパネルディスプレイも搭載

さらにHallucIIは、車両タイプのビークルモード、昆虫タイプのインセクトモード、動物タイプのアニマルモードの3形態へと変形が可能。もちろんこれには歩行と走行を切り替えて、どのような路面でも走破できるようにするため、という目的があるのだが「変形ロボット」という響きには非常に大きな魅力があるのもまた事実。ビークルモード以外はまだ調整中のことだが、いずれは操縦桿の手元のモードチェンジスイッチを押すだけで変形できるようになるとのことなので、期待して待ちたい。

操縦の様子から。細かな動きの制御はロボット側が行ってくれるので、左右のグリップを直感的に動かすだけで大丈夫

黒いボール部分を握って操縦。前後・上下・左右の3軸方向に動かせる。赤と青の部分は変形用のモード切替スイッチ

動画
デモンストレーションの模様。HallucIIの動きとHullのスクリーンの映像が連動していることに注目
変形の模様。車両タイプから昆虫タイプへとトランスフォーム!

子供たちにとっては夏休みシーズンということもあり、日本科学未来館ではこのほかにも8月を中心に様々な企画が予定されている(別表参照)。8月中は休まず開館するほか、8月13日~17日までは「サマーナイト・ミュージアム」として開館時間も20時まで延長される。最新のロボット技術を楽しみながら体験するには絶好の機会。興味のある人は足を運んでみてはいかがだろうか。

日本未来科学館 8月の主なイベント
日程 タイトル
6月2日(土)~9月2日(日) 企画展「サイエンスニュース!アジア展
~アジアの力、科学の力、を伝えます」
6月20日(水)~8月31日(金) コピー機フシギ展
7月4日(水)~8月19日(日) モビリティの現在・未来 水素エネルギー展
8月11日(土)~ 全天周映画『宇宙エレベータ~科学者の夢みる未来~』
8月13日(月)~17日(金) サマーナイト・ミュージアム
8月29日(水)~9月2日(日) ジブリの絵職人 男鹿和雄作品から考える
~人と自然の未来~