先日、デジタルカウボーイから「DC-MC35UL3」というメディアプレーヤーが新発売になりました、同社のメディアプレーヤーといえば、ネットワークメディアプレーヤーとしても使用できる上、ドライブを内蔵して単体のメディアプレーヤーとしても使用できるというのが最大の特徴となっています。DC-MC35UL3ではIDE/SATAのどちらのドライブでも内蔵可能なうえ、NAS機能も使えるなど、現時点では、ほぼ満足できる汎用性の高さを実現しています。

とくに、最近では、SATAへの移行に伴って、IDEのドライブが余っているというケースもけっこうあると思いますので、ドライブの有効利用という意味でも、使えそうです。

というわけで、早速、手元にあったHDDにPCに保存されている音楽ファイルをコピーし、DC-MC35UL3に入れてみました。ドライブは普通にNTFSでフォーマットした160GBのHDDです。

多機能なメディアプレーヤー「DC-MC35UL3」

SATAもIDEも使用できる

手元にあったWesternDigitalのHDDを入れてみる

コンポジットケーブルでAV機器に接続し、電源を入れると、次のような画面が表示されます。ここで、HDDを選択すると、フォルダ構造が表示されて、ファイルを選択すればそのまま再生が可能です。

ネットワークメディアプレーヤーを使用していると、例えば、音楽を聴くためだけにPCを立ち上げるというのは(爆音PCの場合はとくに)、釈然としないものがあります。そういった場合、単体でプレーヤーとして動作するというのはなかなか便利です。

HDDを選択すると中身が表示され、普通に再生可能

続いて、ネットワークメディアプレーヤーとして使用してみます(PC内の音楽ファイルはすべてHDDにコピーしてしまったので、ネットワーク経由で再生させる必要があるファイルは、すでにないのですが)。一般的なネットワークメディアプレーヤーでは、ドライバーソフトをインストールしたりネットワークの設定を行ったりと、いくつかの手順が必要ですが、DC-MC35UL3では、LANケーブルを接続して、画面にある「LAN」のボタンを選択するだけです。とくに、何らかのソフトウェアをインストールする必要はありません。PC側で共有に設定されているフォルダが、DC-MC35UL3側に(つまり接続したAV機器の画面に)表示され、先程と同じように、ファイルを選択して再生することができます。今まで使用してきたネットワークメディアプレーヤーと比べると、あっけないほどに簡単です。

PC側で共有にしたフォルダ、その中身が表示される

さて、DC-MC35UL3にはNDASデバイスとしての機能も装備されています。一種のNASなのですが、独自のプロトコルを採用しており、高速に動作し、さらにPC上のローカルディスクと同じように使用できるというメリットがあります。せっかくなので、この機能も試してみます。

DC-MC35UL3には、ドライバディスクが付属しているのですが、単体のメディアプレーヤーとして使用する場合も、ネットワークメディアプレーヤーとして使用する場合も、とくに何らかのソフトウェアをインストールする必要はありませんでした。付属しているのはこのNDASデバイスとしてのドライバのみなのです。ドライバをインストールすると、デスクトップの通知エリアに、「NDAS DeviceManagement」のショートカットが表示されます。

PC側の設定の前に、DC-MC35UL3側でやっておくことがあります。というのも、DC-MC35UL3では工場出荷時にはNDASの機能はオフになっているのです。そのため、NDASの機能を使用するには、DC-MC35UL3の設定メニューで、NDAS設定をONにしてやる必要があります。

工場出荷時にはNDAS機能はオフにされている

NDAS設定をONに変更して、リモコンの「設定」ボタンを押す

一度DC-MC35UL3の電源が切られ、再起動するとNDASの設定がONになる

ここまで設定したら、「NDAS DeviceManagement」のショートカットを右クリックして、「NDAS DeviceManagement」の「Register a New Device」を選択します。次のような画面が表示されるので、ここでDevice IDとWrite keyを入力します。Device IDとWrite Keyは、DC-MC35UL3本体の背面に貼られているシールに書かれています(非常に小さい文字)。これらを入力したら、DC-MC35UL3をネットワークにつないで、電源を入れます。起動したら、ダイアログボックスの「Next」ボタンをクリックします。これで、接続されているDC-MC35UL3を探しに行きます。

Device IDを入力すると「Next」ボタンが押せるようになる。押すと、いきなりDC-MC35UL3を探しに行くので、その前にDC-MC35UL3の電源を入れ、ネットワークに接続しておく

DC-MC35UL3が見つかっても、マウントするまでは使用することができません。「NDAS DeviceManagement」のショートカットを右クリックして、「NDAS Device 1」から「Mount R/W」を選びます。これでNASとして使用できるようになり、マイコンピュータにローカルのドライブとして表示されるようになります。

「Mount R/W」を選択すると、DC-MC35UL3に入れたHDDをマウントしに行く

マウントしたあとは、ローカルディスクと同じように使用可能

実際に使用してみた感想ですが、NASとしても使え、単体のメディアプレーヤーとしても、ネットワークメディアプレーヤーとしても使用できるというのはなかなか便利です。また、HDMI出力も装備しているので、高画質なビデオを再生にも使えそうです。あとは、標準で無線LANへの対応があればさらに言うことがないのですが。