というわけで、分解とメインボードの部品推定をちょっと試みてみた。電池が交換を前提にしていない(このケースの構造だと、そもそもユーザーでの電池交換はきわめて困難だし、電池ケースを設けると背面の強度や内部のスペース的に無理が出てくるから、割り切ったのであろう)とか機能が色々限られるなど不満もあろうが、一般論としてこのメインボードサイズは驚異的といって良い。

PAの周りに多少変更は入るだろうが、基本的には3Gを念頭に置いた設計になっているし、さらにWi-Fiまで搭載して、このサイズで収まるのは信じられない。国内の多機能2つ折りハイエンド携帯が、ボード1枚で収まらずにフレキケーブル接続で液晶の裏にまで回路を持っていったり、かなり複雑な構造の基板を使うことが常なことを考えると、この小ささ具合が判ろうというもの。もっとも厚みがトータル6mmほどになることを考えると、実装体積という意味では近いのかもしれないが。

あと、汎用品をかなり広く流用して開発コストを下げているらしい点も興味深い。最たるものはメインの4GB/8GB以外にBaseBand/Wi-Fi用にIntel/SSTのFlashをわざわざ搭載していること。結果としてARMコアが3つも搭載されているという無駄をあえて行ったのは、設計の容易さがあってのことと思われる。仕事柄、国内メーカーの携帯の内部というのはいくつか見たことがあるが、Appleのそれは国内の携帯と文法が違う、と強く感じた。