【レポート】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、今夏に打ち上げが予定されている月周回衛星「かぐや(SELENE)」や宇宙食に関するシンポジウム「JAXAシンポジウム2007~探る宇宙 食べる宇宙~」を開催した。司会進行は楠田枝里子さんが務め、各分野から専門家を招いてのトークセッションが行われた。
会場となったザ・プリンス パークタワー東京には、約1,000人の一般客が集まり、注目度の高さをうかがわせた。約2時間30分のシンポジウムでは、「『かぐや』が解き明かす月の起源と進化」「日本の有人宇宙活動は新たなステージへ--宇宙のくらしと宇宙食--」といった2部構成でトークセッションが行われた。
まず「『かぐや』が解き明かす月の起源と進化」の部には、「かぐや」サイエンスマネージャー 宇宙科学研究本部 教授の加藤學氏が登場。現在、アメリカやロシアだけではなく、中国やインドにおいても月探査計画が予定されており、世界的に月探査ブームが起きていると言われている。日本からも8月16日に「かぐや」の打ち上げ予定があり、加藤氏からはかぐやのミッションが紹介された。
「かぐやはマイクロバスほどの大きさの主衛星と2つの子衛星から成り立っています。打ち上げから40日目に月の軌道にのり、約1年間かけて月の観測を行います」と加藤氏。かぐやの打ち上げによって、月の様々なデータを収集することが可能になるとのことだが、一体月のどのような謎が解明されるのだろうか。
「かぐやには、月の表面を調べる装置となる蛍光X線分光計やガンマ線分光計、月の環境を調べるプラズマ観測装置、粒子線計測器などが搭載されています。月の環境調査は、私たちが将来、月に旅行をしたり、住んだりする上で大変重要なデータとなってきます。これらの装置からデータを収集していった結果、月がどのような物質で構成されているのか、月の磁場はどうなっているのか、月の内側はどんな状態なのか、月にマグマの海はあるのか……など様々な謎が解明されることでしょう」。
楠田さんからは「月にはいつから住めるようになるのですか」と、来場した人々を代弁するような質問が。「JAXAでは、2025年に国際有人月面拠点をつくり、宇宙飛行士が月面にて長期滞在することが可能になるよう計画しています。一般の方が月に住めるようになるのはその後になるでしょうね……」と加藤氏。楠田さんは畳み掛けるように、「私の人生計画では、次回、ハレー彗星が地球に最接近する2061年まで生き延び、ハレー彗星特番をするんですよ。地球からレポートするより月からレポートしたほうがハレー彗星が見やすいので、ぜひその時までに一般の人が月に行けるようがんばってください!!」と主張。会場を笑いの渦に巻き込んでいった。
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