いたスト好きに朗報来る

2004年のこと。初めてスクウェア・エニックスの宣伝さんに「こんなゲームが出るんだよ」と『ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリート Special』の話を聞いた時の衝撃たるや凄かった。ドラクエとFFというRPGの二大巨頭が競演。有り得るのか! 両方とも大好物である私は「うっそだー」と口では疑いながらも心中では小躍り。そして出来上がったばかりのデモで、本当に2作のキャラクタが1つのゲーム内に共存し、「クラウド」「カンダタ」(人選に恣意はありません)と互いの名前を呼び合っている様子を見せてもらうや、小躍りは大規模な祭に発展、徹夜明けで濁った目を途端にキラキラさせて叫んだものだ。「んめっっちゃやりたい!!!」と。

発売日以降はほぼ家に引きこもり、ひたすら「いたスト」三昧。金持ちのフローラ(DQV)のイヤミに歯噛みしたり、可憐なようで実に金儲けに長けているエアリス(FFVII)のテクに毒づいたり、無骨な戦士ライアン(DQIV)を情け容赦なく破産へ追いやったり……。同僚をマンガ喫茶に引っ張り込んで朝まで対戦もした。あのときの彼の恨めしい顔は忘れられない。他人を陥れるのって、どうしてこんなにも甘美なのかしら。

「いたストSP」中毒の日々から約2年。スクウェア・エニックスから届いたプレスリリースを見て、心臓が口から出るかと思った。今度の「いたスト」のプラットフォームはニンテンドーDS、そしてドラクエとマリオが競演を果たすというのだ。これはもう事件だ。ドラクエとマリオということは――なんとなく憎めない悪の親玉対決「竜王VS.クッパ」みたいな顔合わせが実現できてしまう!

夢のようなロゴ

一日千秋の想いで待った発売日、前のめりになりながらソフトゲット。早速猛烈にプレイスタート……と行きたいところだがその前に、「いたスト」を遊んだことのない人のために、次ページではどんなゲームであるのかを簡単に説明しよう。