現在も京都在住のため、仕事のたびに上京しては戻るという慌しい毎日。デビュー以来、『電車男』や『1リットルの涙』(ともにフジテレビ系)など、順調にキャリアを重ねてきた女優、小出早織にとって、今年は特別な年となるだろう。劇場版『ケータイ刑事』、ドラマ『帰ってきた時効警察』(テレビ朝日系)、映画『舞妓Haaaan!!!』、そしてまもなくDVD化されるスペシャルドラマ『怪談新耳袋絶叫編』(BS-i)といった話題作に立て続けに出演。今、まさに飛躍のときを迎えつつある19歳にとって、今や天職であると確信しつつある「芝居」との出会いはごく自然のものだった。

自らの意思で開かれた女優への道

「中学2年生のときに部活を辞めたんですね。水泳部に入ってその後で陸上部に入ったんですけど、辞めてしまって。周りの子は部活をしているし、「あれ、わたし、やることないな」と。勉強すればいいのに(笑)。何か打ち込めることがほしいなと思って、関西圏であった映画のオーディションを受けてみたんです。それがすごく新鮮で楽しくて。その場でペアになった女の子と台本がない状態で、おおまかな設定だけ与えられて動いたりとか、そういうことを何回もしていく長いオーディションだったんですけど、かなり自分を解放しましたね(笑)。知り合いがいないので、『何やっても怒られないし恥ずかしくないや』って。普段の生活の中で自分を閉じこめていたものが全部とっぱらわれた感じ。すぐにハマりました。それで、お芝居の勉強をしてみたいなと思ってレッスンをやっているところを探したら今の事務所があったんです。これがなんと無料で! ここなら家族に迷惑がかからないだろうなと思って入りました」