面白いアイディアが続々と発表に - 「Wild and Crazy Ideas」

44th Design Automation Conference(DAC)では、「Wild and Crazy Ideas」(WACI)というセッションが設けられた。このセッションは、論理的にしっかりした説明が求められるほかのセッションとは異なり、論理に飛躍があったとしても面白いアイデアならば取り上げようという趣旨のものである。

そのままでは使い物にならないが、後に発表者や別の研究者によって論理のリンクの切れた部分を補うような研究が成功すれば、大きな成果が得られる…といった可能性のある発表もあるかもしれない。ギャンブルにたとえれば「アナ狙い」といったセッションであり、面白い試みである。

WACIセッションの入り口の案内

このWACIのセッションでは、次の8編の論文が発表された。

15.1 Chip Multi Processor Generator
15.2 The Case for Precision Timed (PRET) Machine
15.3 Quantum-Like Effects in Network-on-Chip Buffers Behavior
15.4 CAD-based Security, Cryptography, and Digital Rights Management
15.5 Line-End Shortening is Not Always a Failure
15.6 You Can Get There From Here:Connectivity of Random Graphs on Grids
15.7 High Performance and Low Power Electronics on Flexible Substrate
15.8 Novel CNTFET-based Reconfigurable Logic Gate Design

この中でどれが将来、ものになるのかは分からない。筆者が一番面白いと思ったのは、ピッツバーグ大学のLevitan氏による15.6の発表である。なお、Levitan教授は、今回のDACの総委員長(General Chair)であり、このセッションでは発表者のひとりとして登壇した。