既報の通り、マイクロソフトは今月6日、Windows Mobile 6日本語版の正式発表を行った。本稿では、発表会の会場となった組込機器開発者向けイベント「Microsoft Mobile & Embedded DevCon」で行われたプレゼンテーションに沿って、Windows Mobile 6 の全体像を概観していきたいと思う。スピーカーは、OEM統轄本部エンベデッドソリューション本部リージョナルテクノロジマネージャの佐久間宏明氏だった。

Windows Mobileとは?

「Windows Mobile」とは、ベースOSのWindows CEに、アプリケーション・サービス開発のためのミドルウェア、そしてInternet Explorer Mobile、Office Mobile、Windows Media Player Mobileなどのアプリケーション群を追加したもので、今回のWindows Mobile 6ではWindows CE 5.0をベースOSにしている。Windows CEにOffice Mobileなどのアプリケーション群をパッケージングしたものと捉えるとわかりやすいだろう。

ハードウェア・ソフトウェア要件もきちん規定されている。プレゼンテーションでリストアップされているディスプレイ解像度だが、Professional・Classic版とStandard版ではサポートされる解像度が違う。基本的に縦位置・横位置双方に対応しているが、一部には例外もある。そのほかにも、ハードウェアボタンの実装など、さまざまな要件がリストされている。

次に公開されたロードマップでは、今後のバージョンナンバーなどは明言されなかったが、画期的なユーザーエクスペリエンス、優れたコンパニオンデバイスとして、将来的にもWindows Mobileの開発を継続する意向が示された。また、ここで製品エディション名変更の説明も行われた。従来の「Pocket PC Phone Edition」から「Professional」、「Smartphone」から「Standard」、「Pocket PC」から「Classic」へと変更されている。

Windows Mobileが対象とするプラットフォーム、その構成要素となる搭載機能、そして開発環境を説明。

ハードウェア要件とソフトウェア要件。エディション毎にサポートされるディスプレイ解像度及び向き(L:ランドスケープとP:ポートレート)が違う

ロードマップ。今回発表されたWindows Mobile 6には3つの製品(Edition)があることがわかる。「Pocket PC Phone Edition」=「Windows Mobile Classic」とあるが、これは「Windows Mobile Professional」の間違いである。注意して欲しい。