FLOSSアプリケーションは収束と発散をたえず繰り返している。有益であり、人気があるFLOSSアプリケーションには、リソースが集中し、開発が加速する。一方でソースコードにアクセスしやすいというそのライセンスの特性から、本来の開発者や開発チームが想定していなかった変更が加えられ、新たなブランチが形成されていくこともある。FLOSSアプリケーションのおもしろさはこうした発展が世界規模で実施されている点にあるわけだが、ここではそうしたアプリケーションのひとつとして「MoSQL」を紹介したい。

MoSQL(もえすきゅーえる)はMySQLデータベースを日本語が扱いやすいように改善したアプリケーション。MoSQLのサイトによると、次のような点が変更されているようだ。

  • デフォルトの文字コードはUTF-8
  • 文字コードの範囲外バイト列も喪失することなくそのまま格納
  • クライアントライブラリにおいて環境変数で文字コードを指定可能
  • Sennaを組み込んでおり、高速な日本語全文検索が可能(5.0.xx系向けパッチのみ)
  • エラーメッセージの日本語化

用意されているパッチは5.0.xx系向けと5.1.xx系向けの2種類。執筆現在ではビルド済みバイナリとしてLinux用にビルドされた(gcc C/C++ compiled, glibc-2.5)5.0.37本体が用意されている。なお5.0.xx系をビルドする場合は日本語全文検索エンジンであるSennaをあらかじめインストールしておく必要がある。

業務で活用する場合、メンテナンスを考えるとMySQLを活用する方が無難だが、個人レベルで活用するといった場合なら、MoSQLで取り込まれているような変更が役立つ場面もあるため、試してみる価値はあるだろう。そうした点でなかなか興味深い。パッチが提供されているので、興味があるデベロッパは調査してみるとよいだろう。