WebニュースサイトのBetaNewsは5月24日(現地時間)、「Top 10 New Features in Windows Server 2008」と題する記事を掲載した。ここでは、その内容を簡単に紹介したい。

BetaNewsが選んだトップテンは、以下のようになっている。

10位:The self-healing NTFSファイルシステム

DOS時代からずっと、ファイルシステムのエラーは、修復のために一度そのボリュームの利用を停止しなくてはならないということを意味していた。Server 2008では、新しいシステム・サービスがバックグラウンドで動作しており、ファイルシステムのエラーを検出し、修復プロセスを自動的に実行する。この間サービスダウンは発生しない。

9位:パラレル・セッションの生成(Parallel session creation)

以前は、セッションの生成は逐次的な処理であった。たとえばTerminal Serverを利用する場合、同時に複数のユーザーがシステムにログインしようとすると、複数のセッションが生成される。このとき、セッションの生成と初期化を逐次的に行なうという仕様は、大規模なTerminal Service提供システムのボトルネックとなっていた。Windows VistaおよびServer 2008で導入された新しいセッションモデルでは、最低でも4セッション、サーバのプロセッサ数が4つ以上であればもっと多数のセッションを並列的に初期化できる。

8位:安全なシャットダウン

シャットダウンの手順には、Windowsの歴史的な問題点が存在していた。XPでは、シャットダウン・プロセスが開始されるとシステムは20秒のカウントダウン・タイマを起動する。20秒経過すると、システムはユーザーにポップアップ・メッセージを表示し、まだ終了していないアプリケーションを強制終了するかどうかの選択を迫る。Windows Serverでもこの20秒のタイマの実装は同様で、アプリケーションが巨大なデータ・ブロックをディスクに保存している最中であったとしても強制的に中断させられてしまうことになる。Server 2008では、20秒のカウントダウン・タイマはサービスに置き換えられた。このサービスはアプリケーションにシャットダウンを知らせるシグナルを送り続ける。アプリケーションがこのシグナルに応答を返している間は、システムはアプリケーションがシャットダウン・プロセスの途中なのだと判断する。当初この新しい手順はアプリケーションに余分な負荷を与えると見なされていたが、こうした安全なシャットダウン手順にはトレードオフに見合う価値があるとの認識が広まってきたという。

7位:Kernel Transaction Manager

レジストリやファイルシステムに不整合を生じる最大の原因である、複数のスレッドが同時に同じリソースにアクセスする際の問題を大幅に軽減できる機能。一般的なデータベース・システムでは、一連の変更はまずメモリ上に格納され、「コミット」が行なわれたらトランザクションすべてが一度に書き込まれる。この方法では、他のユーザーは変更途中のデータベースを見ることはなく、全く変更されていないか、さもなければ関連する変更がすべて反映されているか、どちらかのデータベースだけを見ることになる。この機能はWindows VistaおよびServer 2008のシステム・レジストリで利用される。

6位:SMB2ネットワーク・ファイル・システム

メディア・ファイルは天文学的なサイズに達しており、サーバはこうしたファイルを迅速に処理できなくてはならない。設計の古いSMBは限界に達している。新しいSMB2は、Microsoft社内でのテストでは、メディア・サーバでSMB2を使用した場合、Windows Server 2003に比べて30~40倍高速だったという。