ところでIntel 3 Seriesの中で唯一G35だけがICH8を利用する。これについてMalinowski氏に聞いたところ「G35は他のチップセットと異なるマーケットの要求がある。このラインナップのみ、G965を登載した製品とのボードの互換性が必要とされ、なので同じピン配置が必要とされる。そうした事に配慮して、われわれは引き続きICH8を使うことを決めた」という実しやかな説明が。どう考えてもありえない説明ではあるのだが、これがIntelの公式見解ということだろう。

一方Q33/Q35であるが、こちらに登載されるのはGMA 3100グラフィックである。こちらはIntel Q965とかQ963に登載されていたGMA 3000の後継というポジションであるが、内部的にはやや後退したもので、Intel 945G/GMに登載されていたGMA 950の発展型との話である。ただし見かけ上のスペックに遜色はなく、消費電力が(Q965などと比べて)半分にまで抑えられている点が大きな特徴といってよい(Photo11)。

Photo11:"Energy Efficiency"が大きな特徴。Business向けもSFFタイプが次第に大きな勢力となっており、こうしたところ向けにより消費電力の少ないチップセットを投入する必要に迫られた、ということだろう。

最後に出荷状況である。すでにP35とG33は、100万個以上をOEM/ODMに対して出荷済であり、過去最高の立ち上がりを見せているとした。またQ35は今週からOEMへの出荷を開始しており、G35もWafer製造がすでに開始、X38も製品版がTape Outしたと述べた。確実に出荷できる、という観点では手堅く作業を進めている感が強いが、その一方で統合グラフィックに関しては1年前からハードウェア的に殆ど進化していないとも言える訳で、このあたりが昨今の統合グラフィックの難しさを改めて示したといえる。