さて3 Seriesにおけるハイエンド製品であるX38であるが、FSB/メモリの高速化に加えて、ついにOverclocking Featureを前面に打ち出すに至った(Photo06)。Intel Extreme TuningとIntel Extreme Memoryがそれで(Photo07)、前者はFSBを含めたシステム全体でのOverclocking、後者はMemoryのみのOverclockingを、自動ないし手動で行えるというもの。以前からIntelは「こっそり」Overclocking FeatureをBIOSレベルでは提供してきていたが、ついに大っぴらにこれを提供しはじめたという訳だ。ちなみにこのOverclocking Feature、可能なのはX38とP35のみとの事である。

Photo06:性能向上は、FSBの1066MHz→1333MHz化に伴うものと理解すれば分かりやすい。メモリはDDR2とDDR3の性能比という話である。

Photo07:これはIntel Extreme Tuningの方。目標と対象を選択すると、自動的にチューニングを行ってくれるというもの。

ついでG35である。グラフィックコアにGMA X3500を登載するこの製品だが、基本的にはG965のGMA X3000と同じもの。DirectX 10準拠とされるが、これはもっぱらドライバ側で実現されており、しかも当初はDirectX 10対応の製品が間に合わないそうで「当初はShader Model 3.0準拠となる」との話。Shader Model 4.0対応は遅れて提供ということになるようだ。ただコアの描画性能そのものやVideo Accelerationには手が入っている模様で、会場ではAthlon 64 X2+AMD 690GとCore 2 Duo+Intel G35の構成を比較して、フレームレートが大幅に異なる(Photo08)とか、HQV Benchmarkの結果も変わる(Photo09,10)事などが示された。ジャギーに関しては、同じFlagsの映像を比較して(Movie01)G35ではジャギーが少ないことを示した。ただFlagsに関しては、AMD 690Gの発表会において真逆の結果がデモされていたことを思い出すと、これにせよ、AMDの発表にせよ、額面通り受け取るのは難しい気がする。

Photo08:AMD 690Gで9fps、対するG35は22fps。この数字そのものは割と信用できる。ここでも記した通り、AMD 690Gの絶対的な3Dパフォーマンスはそれほど高くない(というか、低い)からだ。

Photo09:AMD 690Gと、前世代のIntel G965でHQV Benchを比較した数字。これもまた、額面通り受け取るのは難しい。

Photo10:こちらがG35でのスコア。AMD 690Gとの性能差はおいておき、G965とG35のスコアの比較をするのが正しい読み方だろう。

動画
Movie01 (WMV形式 310KB 7秒)