【レポート】

44th Design Automation Conference - IBMが45nm SOI ASICテクノロジを発表

1 高性能45nmプロセス「Cu-45HP」ASICテクノロジ

    安藤壽茂  [2007/06/07]

    サンディエゴで開催中のDACにおいて、IBMは45nm SOI (Silicon on Insulator)プロセスを使うCu-45HP ASICテクノロジを発表した。45nm世代のプロセスを使うASICテクノロジの発表としては世界初である。

    45nmプロセスで製造したSOI PMOSトランジスタの断面図。(出典:IBMの発表資料)

    Cu-45HPのトランジスタは、12オングストロームの厚さのゲート絶縁膜を使うものに高速(高リーク電流)のLow Vt、低リーク電流のHigh Vt、と通常Vtの3種類があり、更に、ゲートの高さが9トラックのものと12トラックのものがあり、これだけで合計6種類のライブラリが用意されている。また、ゲートリーク電流が問題になる場合に備えて、16オングストロームのゲート絶縁膜のトランジスタを使うライブラリもサポートしており、単純に高性能用途だけではなく、かなり広い範囲に適用できる品揃えである。Cu-45HPの諸元を次の表に示す。

    Cu-45HPの主要諸元
    プロセス世代(nm)45
    テクノロジSOI
    電源電圧(V)1.0/0.9
    ゲート遅延(ps)3.8~9.9
    使用可能ゲート数(16mm角チップ)200M
    ゲート密度(Kgates/平方mm)1480
    消費電力(nW/MHz/gate)3.2/2.6
    リーク電流(nA/μm)0.2~50
    最大配線層数9~10
    配線絶縁層Ultra Low-k
    ※ゲートは2入力NAND相当

    また、従来、SOIプロセスを使うCPUチップでは、メモリはSRAMだけで、DRAMは混載できなかったが、今回のCu-45HPではアクセスタイムが2nsの高速DRAMや、速度は多少遅いが、高密度のDRAMマクロもサポートされることになっている。

    SOIプロセスであるので、寄生容量が減りスイッチングが高速になる。また、同じスイッチ速度で良い場合は小さなトランジスタで済むため、チップ面積を20%程度小さくできるという。

    注目されるのはSOIテクノロジを使っている点と、最初に提供されるのがHP(High Performance)で、汎用のGではない点である。SOIは高性能であるが、コストが高いというのが一般的な認識であるので、この点を質問すると、IBMは3大ゲームコンソールのCPUを製造し、SOIの量産規模が大きいので、十分、競争力のある値段で提供できるという。

    SOIでもう一つ気になる点は、スイッチの履歴によってトランジスタの特性が変化し、スイッチ速度などが変化するフローティングボディー効果という特性があり、使用上、通常のバルクCMOSとは異なる注意が必要となることである。これについては、ユーザからは論理回路を受け取り、回路設計や実装設計はIBMが行うので、問題は無いということであった。

    また、何故、一般用のGではなく高性能のHPを最初に提供するのかと質問すると、SOIプロセスを使う高性能のASICに対しては、社内のサーバグループから要求があり、これが最初に提供可能になるということであった。

    なお、6月5日に発表が行われたが、デザインキットと呼ぶ詳細な設計データが提供されるのは2008年3月の予定である。論理設計は65nmプロセスのASICのマクロを使って進めることが出来るが、速度や消費電力などを確認してテープアウトできるようになるのは、このデザインキットの提供以降になる。

    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

      求人情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      転職ノウハウ

      あなたの仕事適性診断

      4つの診断で、自分の適性を見つめなおそう!

      Heroes File ~挑戦者たち~

      働くこと・挑戦し続けることへの思いを綴ったインタビュー

      はじめての転職診断

      あなたにピッタリのアドバイスを読むことができます。

      転職Q&A

      転職に必要な情報が収集できます

      スカウト転職する

      企業からアプローチのメッセージが届きます。

      マイナビニュースマガジン