JavaによるWebアプリケーションはイントラネット内の業務アプリケーション開発で採用されることが多かったためか、「わかりやすいURL」という点についてはこれまであまり問題にされてこなかった節がある。Url Rewrite Filterを導入することで既存のWebアプリケーションにはまったく手を入れずに(もしくは多少の修正で)、URLの変換を行うことができる。また、フレームワークによっては拡張子やURLの形式が事実上固定されているケースもあり、そもそも自由なURL設計ができないこともある。このような場合でもUrl Rewrite Filterを導入することで対応することが可能だ。

最近はAjaxなどの活用によってWebアプリケーションでも使い勝手のよいユーザインタフェースを提供することが可能となっているが、URLもユーザインタフェースの一部と考えると、わかりやすいURLを提供することでユーザの使い勝手の向上にも繋がるのではないだろうか。

また、サーブレットフィルタはJavaベースのWebアプリケーションにおいてAOP的な利用が可能な拡張ポイントとなっている。サーブレットフィルタの利用例としてはレスポンスを書き換えてレイアウト機能を実現するSiteMesh やO/Rマッピングフレームワークを利用する際にセッションのオープン/クローズをフィルタで行うOpen Session in Viewパターンなどが有名だ。Url Rewrite Filterもこれらと同様、サーブレットフィルタの特性をうまく活かしたプロダクトといえる。古くはEJBから最近ではDIやAOP、O/Rマッピングとなにかと複雑なJava Web開発ではあるが、サーブレットフィルタのように以前から存在する機能をうまく利用することでシンプルに解決できる問題は意外と多いのかもしれない。