【レポート】
自律ロボットによるサッカー競技会「ロボカップ」の国内大会(ジャパンオープン)が3日から5日までの3日間、大阪市のインテックス大阪にて開催された。ゴールデンウィークの恒例行事となりつつあるロボカップであるが、今年も名勝負ぞろいの熱いイベントとなった。
ロボカップは、2050年までに人間の世界チャンピオンチームに勝つロボットを開発することを目標としているプロジェクト。2足歩行ロボットによる「ヒューマノイド」リーグのほか、車輪駆動の機体を使った「中型」「小型」、AIBOをプラットフォームとした「4足」、実機を利用しない「シミュレーション」の各リーグがあり、それぞれで競技が行われて優勝が争われる。
今年は、シミュレーションのサブリーグとして、シチズンが開発した超小型ロボット「Eco-Be!」を利用する「マイクロロボット」が新設されたほか、ヒューマノイドリーグでは身長80cm以上のTeenSizeクラスにおいて、ペナルティーキック戦も行われている。以下、筆者が注目した競技を順次紹介していきたい。
来場者からの注目度の高さでいえば、やはりナンバーワンはヒューマノイドリーグだろう。2足歩行ロボット自体がまだまだ一般には珍しいこともあるだろうが、ぱっと見て何をやっているかが一目瞭然なので、感情移入がしやすい。プレーの1つ1つに歓声があがったり、どっと笑いが起きたり、終始賑やかに進められていたのがこのリーグである。まずは、身長60cm以下のKidSizeクラスから見ていこう。
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観客席はいつも満席 |
ところで事前に1つ留意しておいてほしいのは、参加ロボットは全て「自律型」であるということだ。というのはつまり、ロボットが常に自分で自分の状況を考えて動いているということで、ラジコンを使って人間が操作しているわけではないのだ。時にはヘンな行動をとることもあるが、じつはちゃんとプレーしているだけでも「かなりすごいこと」なのである。
そういった中、機体の運動性能の高さで群を抜いていたのは、やはりというか、ROBO-ONEでの経験も豊富な坂本元氏(はじめ研究所)が開発した「はじめロボット」だ。昨年の大会でもドイツの「Darmstadt Dribblers」(Darmstadt工科大学)と組んで、優勝した「Team OSAKA」(ヴイストン、ロボ・ガレージ、大阪大学など)を苦しめたが、今年はそのDarmstadtに加え、新たに千葉工業大学もはじめロボットを使って参戦。2on2の予選リーグでは、はじめロボット同士の対決が見られる一幕もあった。
「CIT Brains and Hajime Robot」は、千葉工業大学・ブレインズ・はじめ研究所による合同チーム。ベースとなる機体はDarmstadtと同じ「はじめロボット18号機」だが、自律制御のためのコンピュータはそれぞれ異なっており、CIT Brainsはブレインズ製のCPUボード(PowerPC系のCPUとのこと)を搭載。一方、DarmstadtはAMD Geode(500MHz)を搭載するPCボードを背中に積んでいた。
どちらも機体ははじめロボットなので、ハードウェアの性能は一緒。勝負はソフトウェア次第となるはずだが、動きを見てみると、明らかにCIT Brainsのほうが速く動いている印象だった。これについて両者に理由を聞いてみると、搭載したボードがDarmstadtのほうが重いため、ということだった(そのほかハードウェア的には、足裏の形状やカメラの個数などの違いもある)。
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DarmstadtとCIT Brainsの一戦。フィールド上の4体全てがはじめロボットとなり、かなり分かりにくい構図に |
2on2は全6チームが出場。はじめロボットの2チームはどちらもBグループになってしまうという組み合わせに |
この試合、序盤に先制したのはDarmstadtだったが、CIT Brainsは0-2の劣勢から一気に逆転。後半、Darmstadtの猛攻を凌ぐと、さらに追加点を奪って5-2で快勝した。予選はA/Bグループ各3チームずつで争われ、すでに両チームとも決勝トーナメント進出は決めていたが(各リーグの上位2チームずつが進出)、CIT BrainsはこれによりBグループの1位通過を決め、Aグループ1位のTeam OSAKAとは決勝まで当たらずにすむ優位な位置につけた。
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