【レポート】

IPv6で10Gbps理論値限界ぎりぎりの通信速度記録を樹立

1 記録樹立の意義

    後藤大地  [2007/05/09]

    米国の学術ネットワーク組織であるInternet2は4月24日(米国時間)、東京大学などを中心とした研究チームによって新たに2つの「Internet2 Land Speed Records」記録が樹立されたことを発表した。新記録が達成されたのは、IPv6シングルストリームとマルチストリームの両カテゴリ。IPv4の通信速度記録も上回り、IPv6とIPv4の間に性能差がないことを実証した。ここでは、5月8日に東京大学で発表された内容を基に要点をかいつまんで紹介する。

    IPv6とIPv4の技術的な速度差がないことを実証

    新記録樹立を発表する東京大学 情報理工学系研究科 教授 平木敬氏

    東京大学、WIDEプロジェクト、JGN2(NICT)、NTTコミュニケーションズらで構成される国際共同研究チームは、2004年から長距離TCP通信の性能研究を実施している。2005年には、DVD 1本分のデータを5秒で地球の裏側へ転送することに成功。その後もTCP通信の性能を限界まで引き出すことに挑戦し続けてきた。

    2006年12月30日には、30,000km(実際には32,372km)のネットワーク上でIPv6による7.67Gbpsのデータ通信を実現。さらに翌日の31日には9.08Gbpsを記録した。これは同ネットワークにおける転送理論最大値の98%ほどにあたるものであり、ほぼ理論値どおりの通信速度を実現したことを意味している。10ギガビットネットワークにおける最終速度記録に位置づけられ、研究開始当初のIPv6の通信記録を30%以上更新したことになる。

    今回の発表により、IPv6を使った通信速度記録が、IPv4によって作られた通信速度記録を上回ったことになる。IPv6においてもIPv4と同等の通信性能が実現できることが実証されたわけだ。

    測定時の通信パス

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