余談になるが、Digital Home GroupもこのSanta RosaをSSF(Small Form Factor)向けに投入することを表明している。このあたりは現在のNapa PlatformがやはりSFF向けに利用されていることを継承していると考えてよいだろう。このSanta Rosa DTまで集計に入っているのかどうかは不明だが、Santa Rosaはきわめて急速に普及する、としている(Photo15)。直近のQ2ですら3割近いというのは、日本メーカーで言えば夏モデルに大量に入るという事であり、今年中には9割程度までシェアを伸ばすということの様だ。

Photo15:もっともこれはあくまでもPerformance Notebook向け。Valueとか小型向けはまた別の話になる。

Photo16:これはEric Kim氏の基調講演より。

さて、これに続き来年頭にはPenrynコアが導入されることになる。実はこれについてIDFではあまり詳細な話は無かったが、Intelが5月3日に開催した2007 Spring Analyst MeetingにおけるDavid Perlmutter氏のプレゼン資料の中にこんなものがあった(Photo17)。Perlmutter氏はMobile Groupのトップだから、当然これはMobile向けに2種類の製品が投入されるという意味だと理解して問題ないだろう。そのPenrynだが、既にレポートした以外での新機能としては、Deep Power Down Technologyの採用が挙げられる(Photo18)。これはC6という新しいパワーステートを設け、コア電圧を最小とし、Clock/PLLも止め、更にL1/L2キャッシュまでOffにしてしまうというものだ。これにより更なる省電力化が可能になる一方、当然再開までの時間は余分に掛かることになる。C6ステートを使うような状態がどの程度あるのか、という点はやや疑問(筆者だと間違いなくサスペンドにして電源を落としてしまうだろう)だが、Windows Vistaのスリープ・モードでは効果的かもしれない。

Photo17:3MBの方が本当のダイ写真なのか、それとも画像処理で3MB化したものか、はここからは判断しにくいのだが、なんとなく画像処理で作っただけという気がする。というのは、コア部は微妙な光の加減で簡単に色が変わるのにPenryn 6MBと3MBは見事なほどに同じ色になっており、別に撮影したとは考えにくいからだ。

Photo18:C1とC2で全然消費電力が変わらないのは何故? と後で聞いてみたところ、バスを止めてももはやそれほど消費電力が変わらないからというお答えであった。ちなみにC1はCPUコアのみ、C2ではCPUとバスの両方が止まる事になるが、C0~C3まではDual Coreが独立に動くことになるので、仮に片方のコアがC2になるからといってバスを止めたら大変な事になる。そんなわけで、事実上C1もC2も変わらないそうな。

このSanta Rosaのリリースに合わせて今回発表されたコンセプトがMobile Metro(Photo19)。要するにいちいちノートを開かなくても必要な情報をSecond Displayに表示できるという話だが、このSecond Displayが本体と分離する(Photo20,21)というのが一つのウリである。Windows VistaのSideShow Deviceに近いものだが、会場のスタッフによればもう一捻りしてあるそうな(具体的にどう捻ったのか、は教えてくれなかった)。

Photo19:きっとBartとかNYあたりの地下鉄ではこの程度のゆとりがあるのだろう。東京の地下鉄で出勤時にこれをやったら周囲に怒られると思う。というか、こんなゆとりがないと思うのだが。

Photo20:動作するMobile Metro Conceptを示すMooly Eden氏。

Photo21:注目すべきはこれ。Second Displayは本体と独立しており、この通りカバーと一緒に外れても動く。個人的にはカバーをスナップで留めているのがちょっと興味深かった。