熟成酒は単体で飲んでもおいしいが、料理とのマリアージュも楽しい。前述の長期熟成酒専門店「花」では、17時以降に8000円のコースを提供。先付け・前菜・刺身・主菜・そばといった構成で、熟成酒は食前酒タイプが1杯、食中酒用に3杯、さらに食後酒1杯といった内容になっている。
「熟成酒には様々なタイプがあるので、それぞれの特徴を考えて食前酒・食中酒・食後酒と割り振っています」とオーナーの伊藤淳氏。ここでは、伊藤氏に選んでもらった個性豊かな熟成酒5種を紹介する。
以上5種の熟成酒を見ていくと、淡色から濃色へと順番に並んでいるが、熟成年数順というわけではない。このあたりも熟成酒の世界が奥深いと感じさせてくれるところである。長期熟成酒は、もちろんのことながら昨日今日仕込んだものがすぐに飲めるという酒ではない。長いものなら20年、30年といった年月を経て消費者の元へと届くのである。作り手も子供の代、孫の代に向けて、「少しでもおいしくなるように」と思いをこめて酒づくりに励む。熟成酒には時代や世代を超えたロマンが詰まっている。おいしさだけでなく、そんなところにも熟成酒の魅力があるのではないだろうか。
取材協力店 「花」東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館1階
TEL 03-6276-8187
営業時間 11:00~23:00
定休日 土日祝(要確認)