【レポート】
Sun MicrosystemsによりSolaris 10の目玉として開発されたZFS、最近ではMac OS Xへの移植も進められるなど、Solaris以外のプラットフォームでも注目されることが増えている。
3月に開催された"Asia BSD Conference 2007"においてもZFSの話題が取り上げられた。もちろん、FreeBSDへの移植についてだ。説明してくれたのは実際に移植を行っているPawel Jakub Dawidek氏。
ZFSは現在、COMMON DEVELOPMENT AND DISTRIBUTION LICENSE(CDDL) Version 1.0のもとで公開されており、FreeBSDへ移植しやすいライセンスとなっている。ソースコードのポータビリティも高く、Solaris以外のOSへの移植も比較的行いやすい。
ZFSはFreeBSDで採用しているFFS+Soft UpdatesやBluffsで実現しようとしているようなFFS+ジャーナリングとは、ベースとなる設計が異なっている。
"Copy On Write"と呼ばれる戦略を採用し、FFSのように整合性に気を使う必要がない。また、ダイナミックにボリュームの変更ができ、スナップショット機能や圧縮、暗号化などにおいても有利だ。
まず特徴的なのが、ファイルシステムが直接スライスや論理パーティションに対応していないという点だろう。
ZFSではデバイスを指定してプールを作成する。プールに対してさらにファイルシステムを作成する。空き容量や使用するデバイスについてはZFS側で制御するため、ユーザは気にする必要がない。
つまり、容量が不足してきたらディスクを追加し、ZFSに対して、新しいディスクも使用するように伝えるだけでいい。論理パーティション同士の容量はプールの限界まで使えるため、従来のパーティションのように、/var/はいっぱいまで使っている一方で、/usr/がまだまだ余っている、といった状況をさけることができるわけだ。
FFS+Softupdatesと比較すると同じパフォーマンスは期待できないようにおもえるが、同氏の検証によるとFFS+Softupdatesと同等か少し遅い程度のパフォーマンスを実現しているという。特定の並列処理においてはFFS+Softupdatesをしのぐ性能も発揮するなど、今後のチューニングでどこまで性能アップを実現できるかが注目されそうだ。
カンファレンスにおいては、同じくFreeBSD committerの重村法克氏もZFS on FreeBSDのデモンストレーション行い、動的にプールを作成して自在にファイルシステムを操作する例を紹介した。UFS+Soft Updatesと比較してそのダイナミックさは特徴的で、今後のFreeBSDにおけるメインストリームとなっても不思議ではないと思わせた。
FFS+SoftupdatesとZFS、またBluffsやpuffsはそれぞれ特徴が異なる。どれかがどれかを置き換えるというものではなく、それぞれ適材適所の使いかたを探っていくことになるだろう。ZFSはとくにエンタープライズシステムにおけるノンストップシステムの構築や、スケーラビリティが必要とされる用途において優れている。
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