【インタビュー】

声優を目指して日本へ - ロシアのオタク親善大使、ジェーニャ嬢

1 スラングだらけ? 日本製アニメのロシア語監修

    野口智弘  [2007/03/19]

    あなたは「秋葉いつき」というペンネームのロシア人女性をご存知だろうか? オタクな彼女が日本へのオタク愛を込めて現地で開設したサイトはかつて話題となり、5年前には来日も果たした……が、なんとその彼女はとっくに日本に移り住み、ジェーニャ(Jenya)としてすでに各方面で活動を行っているという。というわけでMYCOMジャーナルでは早速彼女へのインタビューを敢行。ナチュラルな日本語で語られた貴重な証言をお届けする。

    ――まずは日本に住むまでの経緯を教えてください。

    「2002年に番組で初めて日本に来て、そのあと2回ぐらい日本に来ました。日本で声優になりたかったので、ロシアの大学を卒業してからこっちに住むようになりました。1年半ぐらい前です」

    ――最近のお仕事としてアニメ『BLACK LAGOON』のロシア語監修をされていますが、きっかけは?

    「アニメの前にマンガの『BLACK LAGOON』をお手伝いしました。そのころはまだロシアにいたのでメールでやり取りしました」

    マネージャー奈良氏「原作者の広江礼威さんのミリタリー友達が、ジェーニャを前から知っていたんです。ジェーニャのお父さんはロシア軍にいたので、ミリタリー関係のスラングも大丈夫だろうということで話が来ました」

    ――具体的な例を見せてもらえますか? 例えばこれは「白兵戦は久しぶりだ。身体は覚えているものだな」というロシア語に日本語が添えられてる部分ですが。

    『月刊サンデーGX』連載中の『BLACK LAGOON』第4巻の141ページより。バラライカのドスの効いたセリフをジェーニャが翻訳した
    (C)広江礼威/小学館

    原作マンガ版『BLACK LAGOON』の第6巻ジャケット。ジェーニャはおもに4巻~5巻の日本編に参加
    (C)広江礼威/小学館

    「このロシア語は日本語の直訳とは違っていて、『久しぶり』はロシア語でたくさん時間が経つという意味の『100年』という言葉にしています。『身体は覚えているものだな』の部分は本当は『どんなに酒を飲んでいてもできる』という意味ですね」

    ――意訳なんですね。アニメ版の監修はどうやって?

    「ロシア語のセリフの音声ファイルを声優さんに聴いてもらって、直接アフレコでもチェックしました。バラライカ役の小山茉美さんはすごく優しい人でした。それからロシア語の看板の文字が間違っていたのを監督に言ったら『じゃあDVDで直そう』って」

    ――そんなこともあったんですね。

    『BLACK LAGOON』に登場するロシア人マフィアの女ボス、バラライカ
    (C)広江礼威・小学館/BLACK LAGOON製作委員会

    『BLACK LAGOON The Second Barrage』は、現在ジェネオンよりDVDが発売中。こちらは2月末に発売された第2巻のジャケット
    (C)広江礼威・小学館/BLACK LAGOON製作委員会

    奈良氏「4月開始の『機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ』というアニメでもロシア語の監修を手伝っています」

    ――なるほど。先ほどお父さんが元ロシア軍人という話が出ましたが?

    「若いころは結構パラシュートで飛び降りてたみたいです。チェチェンにも何カ月か行ってました。やっぱり大変だったみたいです。私も小さいころは、お父さんがいる軍の基地に遊びに行ってタンクに入ったり、ガスマスクをかぶったりして遊んでました」

    ――ワイルドな遊び場ですね(笑)。

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