【レポート】

シマンテックとNetApp、電子メール管理ソリューション共同展開を強化

    大川淳  [2007/03/11]

    シマンテックは協力関係にある日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp)とともに「電子メールアーカイビングソリューション」を共同で推進していく方針を示した。日本版SOX法の制定により内部統制の確立、強化を求められる企業からの需要に対し、電子メールの保存、管理、利用の切り口からIT統制対策を提案していく意向だ。両社のアーカイブ技術とストレージ製品はすでに連携しているが、国内では未だそれほど浸透していないことから、販売促進の面で協業態勢を強化する。

    シマンテック プロダクトマーケティング部の堀江徹リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ

    電子メールは、いまや企業活動には不可欠の存在だが、今後、国内でも日本版SOX法が施行、適用されることになると、IT統制の観点からは企業の情報資産としてのデータの重要性が高まるとともに、訴訟問題が起こった場合の証拠として利用されることが一つの焦点として浮上してくる。シマンテック プロダクトマーケティング部の堀江徹リージョナルプロダクトマーケティングマネージャは、「国内ではライブドア事件の際に電子メールデータが押収されたが、(世界の優良企業番付である)Fortune500に入っている企業の75%は、電子メールを訴訟時の何らかの証拠にしている」と指摘する。

    このような状況のなか、電子メールシステムには、さまざまな要求が突きつけられることとなる。電子メールは、スパム、ジャンクを除き基本的にはすべて保存することが求められ、また、それを効率的に管理しなければならない。必要なものを迅速に抽出できるような高速検索機能、さらには改ざん防止のしくみが必要になる。企業間を流れる電子メールは急激に膨大になる一方であり、「保存、検索などは年々困難になっている」(堀江氏)状況だ。

    「電子メールアーカイビングソリューション」は、シマンテックの「Enterprise Vault」とNetAppのデータストレージを組み合わせ、これらの課題に対する解決策として提供される。

    「Enterprise Vault」は電子メール/コンテンツ アーカイブソフトであり、サーバーの電子メールや添付文書を「Enterprise Vault」のオンライン ストレージに自動的にアーカイブするとともに、電子メール情報のカテゴリ分類、検索などの機能をもつ。堀江氏は「両者の技術を組み合わせることで、多層型ストレージとメール容量管理ができ、迅速な検索、保存期間の設定も可能。改ざんも防げる」と話す。

    両社はデータ管理ソリューションの分野において、すでにさまざまな点で協調しており、「Enterprise Vault」はNetAppのストレージ製品のWORM(Write Once Read Many: 消去や上書きできないデータ保護)機能に対応しているほか、NetAppのストレージ用OS「Data ONTAP」とシマンテック製品のAPI統合などに取り組んでいる。シマンテックは「NetAppとの連携により、データ保護をより強化することができた」(堀江氏)としている。

    このソリューションではNetAppのストレージは、「Enterprise Vault」のデータベース、インデックスデータをSnapshot機能によりバックアップ、1次ストレージの役割をまず担う。「Enterprise Vault」では、1次/2次ストレージが同一のシステム内にあるように利用できるという。さらにNetAppのデータ保護機能を制御するソフト「SnapLock」により、1次、2次いずれのストレージにも「WORM」領域を作成することができる。ここでは消去、上書きは一切不可能であるため、改ざんを防止することが可能になるとしている。

    また、「SnapLock」には「厳格型」と「柔軟型」の2種が用意されている。法令順守のために利用する「SnapLock Compliance」では、管理者であっても、消去、上書きはできない。一方、社内記録・保存向けの「SnapLock Enterprise」では、限られた操作で消去などが可能になる。企業それぞれの状況に応じ、選択肢をそろえた。

    日本ネットワーク・アプライアンス マーケティング本部の阿部恵史プロダクトマーケティング担当シニアマネージャ

    NetAppのストレージは、アーカイブ、バックアップ、法令順守などさまざまな目的で同じインフラを共有できるという。日本ネットワーク・アプライアンス マーケティング本部の阿部恵史プロダクトマーケティング担当シニアマネージャは「他社の場合、用途ごとに別のアーキテクチャーを用いており、それぞれ運用法が異なるが、NetAppでは管理手法は同一であり、コストを抑制できる」と述べている。

    両者は「米国の本社レベルで緊密に連携している」(堀江氏)関係であり、技術面での協業には強い自信を示しているが、今後、国内での販売展開での足並みを揃える。双方ともパートナーを介した販売で、直販はしていないため、「潜在的な顧客の発掘などを販売チャネルにはたらきかける」(阿部氏)ほか、セミナーの共同開催といったマーケティング活動を強化していく意向だ。

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