【レポート】

"スパムの女王" キム・ハナの正体

1 スパムの女王 キム・ハナ、検挙される

    佐々木朋美  [2007/02/21]

    インターネットは顔が見えないメディアであるがゆえに、使い手にとっては楽な部分もある反面、それを悪用する行為も数々起きている。

    警察庁に「サイバーテロ対応センター」というネット専門部署が設けられている韓国でも、たびたび事件が発生し、大きな被害を与えることがある。最近では「キム・ハナ」事件が記憶に新しい。

    「スパムの女王」キム・ハナ

    「キム・ハナ」といえば、韓国のネティズンの間では、少なくとも名前だけはよく知られている女性だ。ただし彼女は韓国でよくあるような、ネット上で有名になったアイドルでも、ネットDJなど特定の活動で多くの人から支持を得ている有名人でもない。大量のスパムメール送信者として有名な人物だったのだ。ネティズンは彼女を「スパムの女王」と呼んでいた。

    韓国では「キム・ハナ」名義でのスパムメールを受け取った経験がある人が大変多い。キム・ハナは2003年から2004年頃、成人サイトや消費者金融を始めとする各種広告を掲載したスパムメールを、毎日大量に送りつけていた人物だ。Webメールを確認するたびに「キム・ハナ」名義のメールが複数届いているという活発な活動ぶりは、ポータルサイトの人気検索ワードランキングの上位まで上がったことがあるほど、ネティズンの間で話題となった。

    また、あまりに被害がひどいため、韓国情報保護振興院から「キム・ハナ スパムメール対応方案」という報告書まで出される始末だった。

    「スパムの女王」の正体

    そんなキム・ハナが最近、警察に検挙されたという発表があり、大きな話題となった。単にキム・ハナが検挙されたというだけでも注目に値するこの事件。世間をさらに騒がせ、注目を集めることとなったのは、2003~2004年当時のキム・ハナが、実は男子高校生だったからだ。

    韓国警察庁 サイバーテロ対応センターは、防衛関連企業で技術者として勤務するP、そして同じ職場で働くIT専門技術者のKら2人を拘束。また、この2人にスパムメール送信を依頼していた消費者金融業者1人を指名手配した。

    キム・ハナの正体は現在21歳の男「P」だったのだ。Pは高校生だった2003年当時、自身が開発したスパムメールプログラムを、ネット上で知り合った4人に対し、それぞれ30万ウォン(約38,000円)で販売している。このプログラムによって送られたスパムメールの差出人が「キム・ハナ」となり、"彼女"の名は瞬く間に知れ渡ることになったのだ。

    しかし、スパム問題の深刻化とともに「キム・ハナ」がニュースで取り上げられるようになると、当時学生だったPは「怖くなった」として高校卒業まで一時的に活動を休止している。

    その後のPは、大学に進学後、一時休学。防衛関連企業に技術者として勤務するようになると、先輩でIT技術者であるKとともに、再度スパムメール送信プログラムを開発するようになった。

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