【レポート】

ジブリはやはり強かった! 邦画が洋画を逆転した'06年映画ランキングを斬る

1 ジブリブランドに膝を屈した海外映画

    はなおかたかこ  [2007/02/07]

    "ジブリ強し"を印象付けた2006年

    1月30日、日本映画製作者連盟(映連)は2006年度の興行収入を発表した。その総計約2025億5000万円のうち、邦画(日本映画)の興行収入が史上最高の1077億5000万円を記録。初めて1000億円を超えた。対する洋画(外国映画)は前年比18.5%減の約948億円。邦画が洋画を上回るシェア53.2%を確保し、1985年以来、20年もの長期間続いた"洋画優勢"の勢力図を塗り替えた。

    2006年 邦画興行収入ベスト10

    順位 公開月 作品名 興収(単位 : 億円) 配給会社
    1 7月 ゲド戦記 76.5 東宝
    2 5月 LIMIT OF LOVE 海猿 71.0 東宝
    3 1月 THE 有頂天ホテル 60.8 東宝
    4 7月 日本沈没 53.4 東宝
    5 11月 デスノート the Last name 52.0 ワーナー・ブラザース(以下WB)
    6 '05年12月 男たちの大和/YAMATO 50.9 東映
    7 7月 劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ 34.0 東宝
    8 3月 ドラえもん のび太の恐竜2006 32.8 東宝
    9 9月 涙そうそう 31.0 東宝
    10 4月 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム) 30.3 東宝

    2006年 洋画興行収入ベスト10

    順位 公開月 作品名 興収(単位 : 億円) 配給会社
    1 '05年11月 ハリー・ポッターと炎のゴブレット 110.0 WB
    2 7月 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト 100.2 ブエナ・ビスタ(以下BV)
    3 5月 ダ・ヴィンチ・コード 90.5 ソニー・ピクチャーズ
    4 3月 ナルニア国物語 第一章 : ライオンと魔女 68.6 BV
    5 7月 M:i:III 51.5 UIP
    6 '05年12月 Mr.&Mrs.スミス 46.5 東宝東和
    7 1月 フライトプラン 31.2 BV
    8 '05年12月 チキン・リトル 26.8 BV
    9 10月 ワールド・トレード・センター 24.0 UIP
    10 '05年12月 キングコング 23.5 UIP

    トップはゲド戦記

    邦画のトップはスタジオジブリ制作の『ゲド戦記』(宮崎吾朗監督)で76億5000万円。監督の宮崎吾朗氏は、スタジオジブリの宮崎駿氏の息子で、本作で初監督を務め話題になった。同作品は原作者のアーシュラ・K・ル=グウィン氏から批判され、目標興収の100億円を大きく下回るなど、作品への評価は決して高くなかった。それでも首位に輝いたのは、日本映画史上最高の興行収入304億円を獲得した『千と千尋の神隠し』('01年公開)をはじめ、大ヒットを連発する"スタジオジブリ作品"のブランド力が大きかったからであると言えよう。宮崎吾朗監督を多くの秀作を創り上げた父・駿氏と比較するのは非常に酷なようだが、ジブリ作品である以上、高いレベルの満足度を要求されるのは仕方ない。

    ‘07年、スタジオジブリは海外アニメの配給にも着手する。その第一弾はロシアのアニメ映画『春のめざめ』(アレクサンドル・ペトロフ監督)で3月17日より渋谷シネマアンジェリカで公開予定だ。なお、この劇場はジブリ作品専用の映画館で、今後も新旧の作品を織り交ぜて上映する。スタジオジブリとしての新作映画はすでに作画に入っており、3月にマスコミ発表される予定だ。

    シリーズ作に偏る洋画

    『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』はジョニー・デップのコミカルな演技が人気

    一方、洋画のトップは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(マイク・ニューウェル監督)で110億円。シリーズ4作目で主演のダニエル・ラドクリフも"少年"とは呼び難いほど成長してしまったが、それでも安定した人気を誇った。ただし、’06年は100億円を超える超大作はこれのほかに100.2億円を売り上げた『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』(ゴア・ヴァービンスキー監督)の2作品のみ。話題の『ダ・ヴィンチ・コード』(ロン・ハワード監督)も91億円と、大台には届かず、興行収入10億円以上の作品は22本。’05年は『スターウォーズ エピソード3』(ジョージ・ルーカス監督)など39作品あったことと比較すると、大幅なヒット作の減少は明らかだ。

    韓流ブームはもう終焉?

    韓国映画の成績も寂しかった。'05年は興行収入27.5億円、4週連続首位を飾った『私の頭の中の消しゴム』(イ・ジェハン監督)をはじめ、ペ・ヨンジュン主演の『四月の雪』など3作品が10億円を超えたが、2006年はゼロだった。ちなみに、『四月の雪』は'06年から現在にかけてディレクターズカット版が全国各地で再上映されている。韓流ブームは陰りを見せても、ヨン様人気はいまだ健在だ。夫婦のどちらかが50歳以上なら入場料が二人で2000円に割引される「夫婦50割引」は団塊世代を再び映画館へ通わせるきっかけになったが、ヨン様目当てのご婦人もこの割引を使っている例が数多く見かけられた。ちなみに、この割引は土日の封切り日でも使えるため、公開初日の新作を見られるのも映画が好評の理由のひとつだろう。

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