【レポート】

あの裁判は今 - SCO、「破産目前」と書かれたそのワケは

 

米SCOは現在、2003年3月6日に提訴したIBMとの訴訟を継続中だ。これは、SCOが権利を持つUNIXのソースコードの一部を、IBMが許可なくLinuxに流出させたとするもので、Linuxに対する法的攻撃として当時大きな話題となった。1年後の2004年3月には、ユーザーとしてLinuxを利用していたDaimler ChryslerとAutoZoneという自動車業界2社を提訴しているが、こちらの訴訟は事実上中断状態になっている。IBMとの訴訟は継続中だが、これに関して米国で、Novellが「SCOが得たUNIXライセンス収入の95%はNovellに支払われるべきものだ」と訴えており、「SCOの破産は目前かつ必至」と発言したと報じられた。

PDFで配布されている「Document 198」

この報道の元になったのは、NovellがSCOとの訴訟に関連して裁判所に2007年1月8日付けで提出した書類(Document 198)だ。このニュースを報じた米国のWebサイトGroklawでは、この書類がPDF形式で配布されている。

かつてNovellがSCOにUNIX/UnixWareの権利を売却した際に、SCOがUNIX System Vのライセンス契約から得た収入の95%をNovellに支払う規定になっているという。この規定に基づいて、SCOがSunおよびMicrosoftから得たライセンス収入(総額約2600万ドル)の95%をNovellに支払う義務があるというのがNovellの主張だ。そして、Document 198でNovellは、SCOの破産は不可避であり、切迫しているとして、Novellの債権の保全を訴えている。

SCOは、SunおよびMicrosoftから得たライセンス収入はUNIX System Vとは無関係で、Novellに対する支払い義務もないと主張していると報じられている。この主張の真偽はわからないものの、1月17日付けで公表されたSCOの2006年度(2005/11~2006/10)の決算を見ると、現金などの資産が約536万ドル、全資産総計で約2,300万ドルであり、Novellが主張する2,600万ドルの95%(約2,400万ドル)にも達していない。業績面では、製品売上が約2,400万ドル、ライセンス売上が約11万ドル、サービス売上が約500万ドルで、総売上が約2900万ドル計上されているが、いずれも2005年度実績を下回っている。経費は売上以上のため、総収支としては赤字決算で、2006年度の赤字額は約1,600万ドル、2005年の赤字額が約1,000万ドルであり、かなり深刻な状況に陥っているのは間違いない。

Linuxが他者の知的財産を侵害している可能性がある、という懸念は繰り返し表明されているが、その発端となったのがこのSCOによる訴訟だ。しかし、現在のSCOの状況から見ると、法的な結論が出るまで訴訟を継続できるかどうかが危ぶまれる状況であることは間違いなさそうだ。



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