【レポート】
最後に出てきたのが広告の話である。Googleの広告には、Google上で検索したページにでる「AdWords」と、他のページに出てくる「AdSense」のふたつがある。
このふたつは通常の広告手法と異なり、関連性の高い広告情報として価値のある情報を出しているとのこと。広告主からは広告効果が高い、という支持を得ていると村上氏はいう。
ビデオの場合、「広告つきビデオは、課金型ビデオの1.4倍見る数が増える」と数字を挙げた。「コンテンツをもっている場合、1.8倍の収入となる」とのこと。
「世界の情報は500万テラバイトあるともいわれます。Googleではそのすべてをインデックス化したい。インデックスの100%在庫をもちたいのです。社内では、200年くらいかかるか、と冗談を言っているのですが、それを応答速度としては100msecで提供したいと考えています」と村上氏は、講演の最後にGoogleの展望を語った。
単に情報を提示するだけでは充分ではない。Googleがいま重要視しているのはパーソナライズ機能だ。
「現在の検索結果は最大多数の最大幸福というかたちになっています。ただ、その限界も見えてきました。そこで、たとえば村上憲郎がなにを検索するのか、なにを重要だと思ってクリックしているのかなど、同意をして納得した限りなら、それを観測して、関心のありようを万人向けでなく、透明性の高いパーソナライゼーションとして提供していきたい」と締めくくった。
「繰り返しになりますが、もちろん、個々人が納得して同意をした場合に限られます」
Cookieを設定していれば、Googleの検索枠に、過去の検索履歴が残っているのに気づいたことはおありだろう。はたして、検索履歴はだれの財産なのか?
質疑応答では会場からひとつだけ質問が出た。
「Googleのようにつぎつぎと新しいサービスを生み出し、イノベーションを起こしていけるのはなぜか?」
村上氏は、先のコンピュータ環境に加えて、「20%ルールがあります。従業員は、自分の労働の20%を使って白紙の上に絵を描きなさい、といっています。従業員は20%を自由に使うことができるのです。その絵がへたくそであっても、マイナス評価はつけません。笑われてそれでけっこう。それがだれかの20%を刺激することがあるからです。イノベーションという点でいうと、エンジニアを中心とした20%の自由な時間が、新しいことを生み出すことになっているのではないでしょうか」と説明した。
つづけて、「インターンシップでも、学生が9月に帰りたくないと言い出して困っています。3月に博士号とってから入りなさいというのがわたしの仕事になるくらいなのです。コンピュータサイエンスは身も蓋もないところがあり、コンピュータがないと仕事にならない。強力なコンピュータ環境があるということ。それがGoogleのイノベーションの淵源になっているようです」と締めくくった。
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