【レポート】

「これからはGPL v2で行く」- MySQLのライセンス変更を巡る諸問題

1 現行のMySQLのライセンス

    海上忍  [2007/01/22]

    LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)のコンポーネントとして、Webアプリケーションの分野に確固たる地盤を築いたRDBMS「MySQL」。ライセンスは商用とGNU GPL Version 2(以下、GPL v2)のデュアル、営利目的とオープンソースソフトウェア開発のいずれにも利用できる柔軟性も人気の理由のひとつだ。

    そのMySQLのライセンスが、MySQL 5.0/5.1から見直され、GPL選択時は「GPL v2以降」から「GPL v2のみ」に変更される。ここでは具体的な例を挙げつつ、ライセンス変更の意図を探ってみたい。

    MySQLは、商用とGPL v2で選択可能なデュアルライセンスを採用している。GPL v3への対応方針について論じる前に、2006年12月時点におけるMySQLのライセンス形態について要点をまとめてみよう。

    GPL v2を適用するケース

    無償利用でき、自由な複製/再配布が許される。MySQLに依存するアプリケーションを再配布する場合には、ソースコードの公開が義務付けられる。デベロッパのテスト目的での利用や、教育機関や各種非営利団体が主なユーザ。

    商用ライセンスを適用するケース

    有償だが、GPL v2適用時に受ける制約がない。すなわち、MySQLに依存するアプリケーションを開発した場合でも、ソースコードを公開せずにすむ。ライセンスは、MySQLをインストールしたマシン1台につき1つ必要。MySQLを含むハードウェア/ソフトウェアを顧客に販売するベンダなど、営利企業が主なユーザ。

    以上のように、MySQLに依存するアプリケーションを開発しても、費用の高低はともかく商用ライセンスを選びさえすれば、プロプライエタリな(商用)製品として顧客に渡すことができる。WebサーバのバックエンドとしてMySQLを使う場合には、MySQL自身を販売しているわけではなく、同梱しただけの「集約」に該当するため、ライセンスを購入する必要はない。

    なお、現在のMySQLは「MySQL Enterprise Server」と「MySQL Community Server」の2系統に分かれている。MySQL ABの認定を得たバイナリパッケージは有償で提供(サブスクリプションを購入したユーザに限定)されるほか、設定ツールの有無など内容に差があるため、Community ServerよりEnterprise Serverが選択されやすいようになっているが、商用とGPL v2というデュアルライセンスであることに変わりはない。

    MySQL Community ServerとMySQL Enterprise Serverの比較

    Community ServerEnterprise Server
    開発方針先進性を重視安定性を重視
    ライセンスGPLのみGPL/商用のデュアルライセンス
    バイナリへの課金×
    バイナリの再配布×
    リリースの間隔年2回月1回のアップデートと
    四半期ごとのサービスパック配布
    価格無償有償

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