【レポート】

藤子F先生の地元、川崎市市民ミュージアムで「みんなのドラえもん展」開催

    野口智弘  [2007/01/20]

    20日より、神奈川県川崎市の川崎市市民ミュージアムにて「みんなのドラえもん展」が開催される。これは没年までの35年間を川崎市で過ごしたマンガ家、故藤子・F・不二雄氏の代表作『ドラえもん』の歩みを原画や資料、豊富な関連グッズなどともに紹介するもので、川崎市において2010年にオープンする予定の「藤子・F・不二雄ミュージアム(仮称)」の開館プレイベントともなっている。会期は1月20日から2月25日までで、開館時間は9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)。休刊日は2月12日以外の毎週月曜と2月13日。観覧料は一般800円。なお、中学生以下と65歳以上については、年齢のわかるものを提示することで無料となる。

    1月20日より2月25日まで開催される「みんなのドラえもん展」。65歳以上と中学生以下は入場無料なので、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さん連れで来るのもよさそう

    内覧会には川崎市の阿部孝夫市長や藤子プロの伊藤善章取締役社長らが出席し、地元・西丸子小学校3年生の中山くん、中村さんとともにテープカットを行った

    開催に先立って、19日には関係者向けの内覧会が行われたので、ここではその模様をお届けしたい。会場では原作マンガの原画が中心に展示が行われているが、シンプルなデザインのドラえもんは、意外なほど美術館映えするというのが第一印象。会場ではテーマ別に約50点の原画が展示されているが、これだけの原画がまとまって出展されるのは今回が初めてだという。マンガの原画展というと、場合によっては単に原画が並んでいるだけ、というものもあったりするが、この展覧会では、各ブースごとに壁や床にドラえもんをあしらったり、プロジェクターを使ったりと様々な工夫が凝らされており、密度の濃い展示がなされている。

    「みんな大好き!ドラえもん」と題されたコーナーでは、丸々1話分の原画を展示。手前にはグラフィックデザイナー佐藤可士和氏がデザインしたドラえもんグッズも

    『ドラえもん』の大きな魅力となっているひみつ道具に関する展示から。原画のほかにもパネルで数多くのひみつ道具が紹介されている

    壁や床にはドラえもんの百面相をプリント。シンプルなデザインながら、これだけ豊かな表情が描かれていることには、あらためて驚かされる

    「ドラえもんのあゆみ」と題されたコーナーでは年表形式で作品の歴史を紹介。アニメのあゆみも並行して書かれているが、幻の日本テレビ版は……やはり幻らしい

    展示栄えするという意味では『ドラえもん』のアレンジのしやすさという点にも注目しておきたい。会場のところどころに設けられた現代アーティストとのコラボレーション作品がまさにそれを象徴しているが、グッズ化やメディア展開が幅広くなされ、立体物や映像作品に事欠かない『ドラえもん』の懐の広さが、展示内容をよりいっそうバラエティ豊かなものとしている。少し欲を言えば、せっかくなので今回だけの大きな目玉が欲しかったところだが、企画展としては総じてうまくまとめられており、子供から大人まで幅広く楽しめるものとなっている。

    原画ではないが『ドラえもん』の名編もパネルでクローズアップ。一部に人気の「きれいなジャイアン」や感動作「おばあちゃんのおもいで」「のび太の結婚前夜」など納得のセレクション

    現代アーティストとのコラボレーション作品も展示。手前は中村哲也氏の「レプリカカスタムドラえもん」。奥は佐内正史氏の写真作品と、HIROMIX氏のTシャツを使った作品

    入り口に並ぶカラフルなコミックス群。館内には読書用のコミックスも置かれているほか、アニメの上映も行われているなど、子供連れへの配慮もなされている

    なお、川崎市市民ミュージアムは、これまでにも「手塚治虫の世界展」「日本の漫画300年展」などを手がけ、つい先ごろ2006年末にも「横山光輝の世界展」を行うなど、マンガに関する企画展を積極的に開催していることで知られている。ミュージアム側によれば、今後もこうしたマンガ関連の企画には引き続き力を入れていきたいとのことで、開催時期は未定だが、少女マンガに関する企画も検討しているという。

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