【インタビュー】

Macworld 2007 - Appleのキーマンに聞く - 「iPhone」「Apple TV」の勝算は?

1 新生Appleのビジョン

 
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Jobs氏の基調講演でもおなじみ、Phil Schiller氏

Appleの2007年は「最初の30年は始まりに過ぎない。2007年へようこそ」(米AppleのWebサイトに掲載)という大胆なメッセージと共に始まった。そして9日(米国時間)、Macworld Conference & Expoにおいて「iPhone」「Apple TV」を発表、社名をApple ComputerからAppleに変更した。Macworldというよりは、Appleワールドと言いたくなるような展開である。携帯電話市場参入の理由、TVをめぐる他のPCメーカーとの競争、今後のMacの位置づけなど、さまざまな疑問が浮かび上がる。今回、Jobs氏の基調講演のサポート役でお馴染みのPhil Schiller(ワールドワイドプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント)氏に話を聞く機会を得たので、今のAppleのビジョンについて質問をぶつけた。

「始まりにすぎない」に込めた意味

――元旦から米AppleのWebサイトに掲載された「最初の30年は始まりに過ぎない」というメッセージには、多くの人が驚かされました。同時に「いったい何の始まりに過ぎないの?」という疑問を持ったと思います。Macworldの基調講演は大きなヒントになりましたが、ここで答えを教えて頂けますか?

Phil Schiller氏(以下PS):Macworldで何か大きなことが起きるのを予告するニューイヤー・メッセージでした。またiPhoneについて、我々が長い時間をかけて非常に素晴らしいイノベーションを生み出したことを示唆する面白い手段だったと思います。今後も数多くのイノベーションを実現していく上で、最初の30年は始まりにすぎない。そしてiPhoneは、すべてを変えてしまうようなインパクトのある製品の1つだと我々は考えています。それが「始まりにすぎない」という言葉に込めた意味です。

基調講演会場の外に設置されていた「最初の30年は始まりに過ぎない」の巨大なボード

――これまで「Appleってどんな会社?」と質問すれば、ほとんどの人が「コンピュータを手がける会社」と答えたと思います。今回、iPhoneとApple TVを発表し、社名を変えました。これからはAppleをどのような会社だと説明しますか?

PS:先端的で使い勝手のよい製品を提供する、高度な技術を持った会社……それがAppleです。私たちのビジネスの1つであるパーソナルコンピュータは、我々の始まりであり、今でも大きなビジネスです。一方で、iPodは2007年中に累計が1億台を突破する見通しです。iPodユーザーの中には、音楽プレーヤーを開発・販売する会社と捉える人も多いでしょう。iPodとiTunesの組み合わせならば、音楽を扱う会社です。Apple TVが加われば、リビングルームにおけるテレビ向けエンターテインメント製品を作る会社になります。そしてiPhoneで携帯電話会社という一面が加わります。これらのビジネスは全てが関連し合っていますが、コンピュータに関する全てではありません。だから、企業名をよりシンプルに「Apple」とした方が、理にかなっていると考えました。

OS Xの柔軟性が5年のリードに

――Steve Jobs氏が基調講演の中で、iPhoneの発表に至るまで2年半の歳月を待ったと述べていました。2年半前に何がきっかけとなって携帯電話開発に乗り出したのでしょうか? (※2004年は米国においてTreo 600の人気が定着し、10月にTreo 650が発表された)

PS:iPodは我々に大きな成功をもたらし、Appleが使い勝手のよいポータブルな家電製品を作れることを証明しました。そして私たちは、Appleが持っている全てのスキルを注ぎ込んだ別のハードウエア製品を作りたいと望むようになったのです。2年半前、我々はいくつかのアイディアにブレークスルーの可能性を感じました。音楽プレーヤーでもある携帯電話、インターネット製品、新UI、マルチタッチ・ディスプレイ技術、そしてOS X。これらの可能性を検討する中で、携帯電話こそがAppleにとって、そして世界にとっても大きな意義を持つと感じたのが開発にふみ切ったきっかけです。

――なるほど。iPhoneはMac以外でOS Xを備える初の製品であり、挙げられた中でOS Xはアップル製品のエコシステムを支えるテクノロジに思えます。

PS:OS Xは、我々にとって戦略的な意味を持つテクノロジです。Macintoshを動かし、同様にiPhoneも動かす。それを可能にする驚くべき柔軟性を備えています。これほど広い範囲の製品に対応できるOS技術は他にはなく、私たちに5年のアドバンテージ(Jobs氏が基調講演で「他の携帯電話と比べて5年先を行っている」と語った)をもたらす重要なピースとなっています。

――携帯電話開発はパソコンに行きづまりを感じた上での方向転換にも受け取れます。それともデジタルハブ構想の延長にあるものなのでしょうか?

PS:どちらにも当てはまりません。デジタルハブにおける役割とも違います。もっとシンプルなことです。Appleの技術と能力の核心は、スタート時点から今日まで、30年間変わっていません。才能のあるエンジニアが人々に新たなユーザー体験をもたらすハードウエアとソフトウエアを創り出しています。具体的には、より楽しく、使いやすく、そして従来よりも有用だと感じてもらえる体験です。これを我々はコンピュータと音楽/ビデオプレーヤーで実現し、そして今回は携帯電話でも可能にしました。以前と変わらぬパッションと能力で、今新たな場所に立っているのです。

今年も基調講演のゲストにジョン・メイヤーが登場。曲間に「Appleはいつも人々を楽しませてくれる。テロリズムとはまったく逆の効果だ」とスピーチ

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インデックス

目次
(1) 新生Appleのビジョン
(2) iPhoneの価格は普及の障害にならない

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