【レポート】

海外オタク事情最前線 - 韓国のコスプレ・同人誌即売会・ガンプラショップに密着取材

1 韓国コスプレ事情

    佐々木朋美  [2007/01/01]

    韓国オタク最前線

    「オタク」という用語が日本に定着して久しい。マニア性の高い語感から最初は否定的な見方が多くあったが、今では「萌え」という流行語を生み出したり、メイド喫茶の認知率(と支持率?)が上がるなどして、オタクカルチャーに対する注目度や認知度が高まってきているといえる。

    そしてその文化は海を越え、海外でも知られるまでになっている。韓国もその例外ではない。

    韓国は日本と近いこともあり、数多くの日本製アニメやゲームが紹介されている。公式的な紹介がなされずとも、インターネットを通じて大きな時間差なく情報は入ってくる。そのため、日本のアニメやゲームに1度でも触れたことがあるという人は大変多い。

    趣味が高じてコスプレにはまる人もいれば、コミックマーケットのような催し物も開催されている。プラモデルやフィギュアの販売店もあり、また、最近ではメイド喫茶まで登場した。韓国の所々に見られる"アキバ"な文化を探してみた。

    韓国人コスプレイヤーが語る、日本アニメの魅力、韓国アニメ事情

    アニメ好きのユン・ジヨン氏。「即売会は人が多いので、最近は純粋に撮影を楽しめるコスプレの撮影会に足を運んでいます」

    「アニメが大好き。恋愛ものからスリラーまで、ジャンルは全く問いません」と語るのは大学生のユン・ジヨン氏だ。

    彼女がお気に入りのアニメは「ハチミツとクローバー」「鋼の錬金術師」「ケロロ軍曹」など。日本のアニメが多くを占めている。

    「日本のアニメは素材が多様。例えば『るろうに剣心』のように、歴史を背景にしているものは大変おもしろいと思います。それに男女関係の詳細な描写は韓国にないもので最初は驚きました。けれど、同時に日本は開かれている国なんだなと感じます」と、その魅力について語った。

    アニメの熱烈なファンである彼女は、もちろん韓国作品もチェックしている。中でも気に入ったものは、原作の書籍などを購入することもあるという。しかし「韓国では、アニメはまだ子どものものという認識が強いのです。アニメを見たりマンガを読む大人がいるにも関わらず、投資が少なく市場が小さいのが残念な点」との評価だ。

    ユン氏が語る現状は、韓国の社会背景にも起因している。儒教の道徳観が社会基盤にある韓国は、過度な性および暴力表現は表出しにくいお国柄だ。外国文化が大量に流入してきている現在、それに対する許容度も広がってきているとはいえ、過度な性・暴力表現に対する自粛ムードは日本よりも高いといえる。これにユン氏が言うような「アニメは子どものもの」という観念も加わり、例えば日本で見られるような「電車の中でマンガ雑誌を読む背広の人」を見かけることはほとんどない。こうした点に日本市場との違いがあるといえる。

    しかしそんな環境でも、韓国の若者は日本のアニメや文化を柔軟に受け入れている。アニメ好きのもう1つの楽しみであるコスプレも盛んで、ユン氏もコスプレ愛好家の1人となっている。中学時代、漫画・同人誌の即売会で初めてコスプレイヤーを見て以来、自分もやってみたいと思ったのがきっかけで、今では即売会に足を運んではコスプレ姿を披露する。

    衣装は大抵、手作りだ。仲間の中にはそうした趣味が高じて衣装関連の学科へ進学した人もいるという。ユン氏自身、コスプレ姿を他の人に撮影されることを通じて「自分が本当に求めている写真を撮りたい」と、一眼レフカメラでの撮影を趣味とするようにもなった。

    ユン氏はコスプレの楽しさについて、「同じコスプレしている者同士なら、初対面でもすぐ親しくなれるから仲間が増えるし、私の場合は新しい趣味もできました。アニメやコスプレで世界が広がったんです」と語っている。

    1つの趣味から世界がどんどん広がっている点に楽しさを感じているようだ。アニメから異文化を感じることがあっても、それを受け入れ楽しむ柔軟なユン氏。彼女のような若者が、韓国におけるオタクカルチャーを広げていく原動力となっている。

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        本音ランキング

        特別企画

        マイナビニュースマガジン