【レポート】

実相寺監督を悼み初日満員、奇抜なリメイク特撮『シルバー假面』上映中

    野口智弘  [2006/12/26]

    12月23日、東京・渋谷のユーロスペースにおいてオリジナルビデオ作品『シルバー假面』の特別上映がスタートした。『シルバー假面』は、1971年から翌年にかけてTBS系で放送された特撮ドラマ『シルバー仮面』のリメイク作品。時代設定を大正とし、主人公を日独ハーフの女性にするという大胆な翻案となっている。全3話構成で、当初はソフト販売のみの予定だったが、この度特別上映が行われることとなった。2007年1月12日までレイトショーのみで上映予定(12月31日と1月1日は休映)。

    『シルバー假面』のメインビジュアルから。特撮作品としてだけでなく、大正が舞台の犯罪活劇としても楽しめる大人の娯楽作に仕上がっている

    あらすじ

    時は1920年(大正9年)。帝都・東京に美女連続殺人事件が発生。若きエリート軍人・本郷大尉は、特務機関から調査を命じられ、探偵小説家志望の友人・平井太郎(のちの江戸川乱歩)と共に浅草の劇場に潜入する。そこではカリガリ博士という怪人が奇怪な見せ物を行っていた。本郷は事件の謎を追ううちに、日独ハーフの美女・ザビーネと出会う。文豪・森鴎外とドイツ人女性エリスの間に生まれたザビーネはまだ見ぬ父を求めて、はるばるドイツからやって来たのだった。ザビーネはカリガリ博士の陰謀に立ち向かうため、ニーベルンゲンの指輪で銀色の超人「シルバー假面」へと変身する!

    3年余りの期間をかけて完成したリメイク版には、旧作のオリジナルスタッフも数多く参加しているが、第1話監督と総監修で参加した実相寺昭雄氏(『ウルトラマン』シリーズ、『帝都物語』ほか)と、原案として参加した脚本家の佐々木守氏(『ウルトラマン』シリーズ、『柔道一直線』ほか)は、ともに2006年に鬼籍に入っており、惜しくも両氏の遺作となった。なお本作はドイツで行われるハンブルグ日本映画祭に招待を受けており、そのほかにも海外の配給会社からもオファーが来ているとのこと。公開初日にはキャストとスタッフによる舞台挨拶が行われたので、コメントを以下に紹介しておきたい。

    初日は立ち見が出るほどの満員に。左よりニーナさん、MIWAさん(シルバー假面)、渡辺大さん、水橋研二さん、嶋田久作さん、寺田農さん、北浦嗣巳さん、竹田団吾さん

    ニーナ(ザビーネ役)

    「本格的な映像の仕事は今回初めてだったんですが、スタッフのみなさんや共演者に教えてもらって無事に終えることができました。最初話を聞いたときはびっくりして、自分ができるのかという不安もありました。(実相寺監督は)厳しいところも優しいところもあってすごく勉強になりました」

    MIWA(シルバー假面役)

    「今回人間味と女性らしさを強調できたらと思って、参加させていただきました。(スーツは)最初はとても窮屈だったんですが、この身を守ってくれたと思うといまは恋しいですね。肩幅が広いので、どうやったら切なさなどが出せるかと苦労しました」

    渡辺大(本郷義昭大尉役)

    「特撮は初めてで、慣れないこともあっていろんな体験をしました。その体験がいっぱい詰まっていますので、楽しんでいただけたらと思います。台本を読んだときも想像するのが結構大変な作業だったので、監督と話をいっぱいしてイメージをふくらませながらやっていきました。自分のなかではやり遂げられたかなと思います」

    水橋研二(平井太郎=江戸川乱歩役)

    「江戸川乱歩をあまり意識してしまうとプレッシャーに負けそうだったので、あまり考えずにやニーナさんや渡辺さんとのやり取りを大事にしました。(実相寺監督は)パワフルでいろいろ勉強させていただきました。『ありがとうございました』をきちんと言えなかったのが心残りです。いろんな方に見ていただければと思います」

    嶋田久作(明瀬元次郎役)

    「実相寺監督とは私のデビュー作の『帝都物語』から幾度となくご一緒させていただきまして、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。今日は監督の遺作となってしまった『シルバー假面』にこれだけ集まっていただきました皆様に、お礼を申し上げたいと思います」

    寺田農(ナレーター・弁士役)

    「初日にこれだけ大勢の皆さんに来ていただきまして、実相寺も喜んでいると思います。ただ映画というのは初日だけではないですから、ご覧になった方々が口コミでひとり10人には言わないと、カリガリ博士を演じた石橋蓮司の呪いが降りかかります(会場笑)。なんと言っても実相寺昭雄最後の作品ですから、その世界をどうぞお楽しみいただければと思います」

    北浦嗣巳(第2話監督)

    「実相寺監督は『作品というのは作り手側から手を離れたら、あとは自由にお客さんが見て楽しんでいただければ』と言っておりました。いろいろありましたが完成に漕ぎ着けまして、非常に力のある作品となっておりますので、十分楽しめると思います」

    竹田団吾(シルバー假面コスチューム制作)

    「特殊メイクの原口(智生)さんから誘われて、今回はシルバー假面のスーツを制作させていただきました。子供のころにブラウン管で見ていたヒーローが再生するお手伝いを自分の手でできたことはすごく光栄なことだと思います。光沢のあるかっこいい姿を見せていますので、楽しみにしてください」

    舞台挨拶後の取材では実相寺監督に関する質問が多く交わされた。盟友・寺田農さんは「やはり職人だなと感じました。付き合いが長いからあまり深刻なことは話さなかったけどね」とコメント

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