【レポート】
Googleは、古今東西、刊行された全書籍のデジタル化を遂行中である。
ICADLでは、その「Googleブックスキャン」についてもセッションが設けられていたが、ここで気になるのは、書籍はスキャンするとして、雑誌はどうなのかということである。
日本では1980年代から、出版業界で「雑高書低」といわれて久しい。すなわち書籍は売れず、書籍中心の出版社が倒産する(たとえば河出書房、中央公論社、筑摩書房とか)いっぽうで、雑誌やコミックなどが出版社の屋台骨を支えてきたのであった。雑誌と書籍を足したようなムックも人気である。
Googleは書籍をスキャンする。では雑誌はどうなのだ。
感覚的にだが、雑誌こそがこの30年の文化であり、それをのぞいた書籍だけでは、充分に文化といえるのかどうかは疑問符をつけざるを得ない。
2004年の書籍の新刊点数は74,587点。それに対して、社団法人日本雑誌協会の『マガジンデータ』による「日本を代表する79社660誌」は、雑誌の種類のひとつの目安となる。
文字どおり桁が違う。じつは雑誌の種類は書籍に較べてずっと少ないのである。
全書籍をスキャンする勢いのGoogleならば、いざ雑誌に目を向ければ、スキャンすることは容易だろう。もっとも、雑誌は蒐集がきわめて困難であり、書籍ほど容易に手にはいるかどうかは、これまた疑問ではあるのだが。
雑誌の2004年の創刊点数は216点、休・廃刊は13点増加して172点というから、雑誌はきわめて新陳代謝の早いメディアでもあるが、書籍ほどのバラエティはないともいえる。書籍よりも雑誌が売れるのは種類が少ないからかもしれない。人はほしいものを買うのではなく、そこにあるものを買ったあとで、ほしかったのだと気づくものだからであるし、買えるものはそこで売っているものに限られるからである。
参考:
日本印刷技術協会(JAGAT) 印刷白書 2001→2002 =仮説検証=
日本印刷技術協会(JAGAT) 出版物はどのくらい発行されているのでしょうか? 印刷界OUTLOOK2005(11)
日本雑誌協会 マガジンデータ2006
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