【レポート】

プラットフォーム戦略など、インテルの今年1年をふり返る

    石川ひさよし  [2006/12/19]

    インテルが今月開催した定例記者説明会「インテル・クライアント・レギュラー・アップデート」で、同社代表取締役共同社長の吉田和正氏が講演し、今年1年を振り返った。インテルは年始から次々と新製品を発表、さらに経営面では大規模な組織再編も行い、「意味深い年」であったとふり返った。

    1月には32年間使用されてきたIntelロゴを変更するとともに、新たな企業スローガン「さあ、その先へ。」(英語ではLeap ahead)を発表。同時にプラットフォーム戦略を強化し、モバイル向けプラットフォームを「Centrino Duo」へとアップデートし、新たにデジタルエンタテインメント向けプラットフォーム「Viiv」などを発表した。プラットフォーム戦略自体はCentrinoのスタート前後から明確になり、そして成功をおさめているが、今年はこうしたインテルのプラットフォーム名がさらに印象的に記憶された年だろう。

    インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏

    1月、インテルはロゴやスローガンを一新し06年をスタートさせた

    また、そのプラットフォームを支えるのがデュアルコア・プロセッサだ。特に今年はモバイル、デスクトップともにデュアルコアが一般的となってきた。Viivはまさにデュアルコアによって生まれた高いパフォーマンスを活用する利用形態のひとつであるという。そして、コアは「今後も増えていく」と吉田氏は語る。そのコアを利用するアプリケーション側に関しては、すでに一部で開始した「デジタル・ヘルス」分野や、教育機関での活用など、さらに新しい分野を模索し新たなプラットフォームを展開していくとする。

    家庭内ネットワーク機器が繋がり、新しい"便利"を生み出したViiv

    患者中心の医療をITで、IT活用で生まれた余裕を患者に還元するというデジタルヘルス

    そして話は7月27日のCore 2 Duo発表へと移った。インテルはCore 2 Duo発売に際し、ショップ側からの提案があったという深夜販売を行っており、吉田氏も参加するという異例のユーザーイベントだった。結果的にCore 2 Duoは成功を収めている。同氏によれば「今年1番のハイライト」といったところだ。ユーザーと一緒になってPC市場全体を盛り上げなくてはならない、というのが同氏の談。実はその後、同氏は(スタッフの手助けを借りながらとのことだが)実際にデュアルコアCPUでの自作、さらにはクアッドコアCPUでの自作にも挑戦したことを明かした。

    Core 2 Duoの深夜販売に際しては社長も参加。ユーザーとの一体感を味わったという

    社長自らPC自作というのは、自作ファンにとっても親近感

    2007年に関してはあまり詳しくは語られなかったが、デスクトップ向けにはクアッドコアのメインストリーム向けプロセッサ「Core 2 Quad」が投入される予定。また、モバイル分野では、Santa Rosaプラットフォームが投入される。そして吉田氏の言う"コア"を活用するアプリケーションとしては、いちばんの話題がWindows Vistaの発売だろう。同氏は「今が谷間の時期である」ともコメントしており、一因としてVista直前の買い控えなどもあるが、来年1月にはVistaもようやく発売となり谷も解消されるだろう。また、今年1年、インテルはユーザー寄りのイベント開催や新たな利用モデルの提案をしてきた。

    吉田氏の次にゲストとしてエヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム代表取締役社長の小林忠男氏が講演した。同社はNTT東西およびNTTドコモ、NTTコミュニケーションズが出資する会社で、主に無線LAN基地局の構築・運用保守やサービス・アプリケーションの開発を事業としている。構築したインフラでよく知られているものとしては、つくばエクスプレスの無線LANシステムがある。

    エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム代表取締役社長の小林忠男氏

    同社の資料によれば、公衆無線LANスポット数は拡大を続け、平成18年11月から翌19年3月までの間にさらに2倍となり、同社で構築したアクセスポイント数は6,000に達し、NTTグループ全体では全国に1万のアクセスポイントを保有することになるという。無線LANスポットがここまで普及していく要因として、スマートフォンや携帯型ゲーム機、さらにはマイクロソフトの「Zune」のように携帯音楽プレーヤーなどにも無線LANが搭載されるほど、パソコン以外にも無線LANが普及しつつある背景が挙げられる。

    無線LANは受け入れられ普及していく

    標準技術としてPC以外にも広がる無線LAN

    このように普及していく無線LANに対し、同社はこれまでスポットという"点"で展開していたものが、つくばエクスプレスのように"線(沿線)"という形での展開に発展、さらに今後はその駅の周辺や、例えば芝浦アイランドのようにマンションなどの敷地をカバーするような"面"での展開に発展していくと構想を語った。特につくばエクスプレスやさらに広い面を構成する技術としては、802.11nやWiMAXに期待を寄せる。インテルのマルチバンドチップを挙げ、WiMAX、802.11n、HSDPAといった場所・用途に合わせていつでもブロードバンドに繋がることで、モバイルとブロードバンドの真の融合が実現すると語った。

    点から線、そして面へと進化する無線LANエリア

    07年、モバイルとブロードバンドの真の融合に一歩近づく!?

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