【レポート】

H-IIAロケット11号機打上げ - 打上げ後会見、立川理事長「あと9機は連続して成功を」

大塚実  [2006/12/18]

既報のように、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、技術試験衛星VIII型「きく8号(ETS-VIII)」を搭載したH-IIAロケット11号機の打上げを実施した(動画はこちら)。衛星は所定の軌道に投入され、JAXAは午後5時10分より、種子島宇宙センターにて記者会見を開催した。

青空の下でH-IIAロケット11号機の打上げは実施された

同日午前2時半に機体移動が行われた11号機は、順調に準備作業が進められ、定刻通りの午後3時32分に、大型ロケット発射場・第1射点より打上げられた。事前に、JAXAより初速の向上が説明されていた「204」型だが、実際のフライトはほぼ予測通りだったとのことで、初フライトながら、衛星を「極めて精度のいい軌道に投入できた」(河内山治朗・JAXA理事)という。

打上げ前のH-IIAロケット11号機

打上げ時にはSRB-A×4本の強烈な閃光

快晴の打上げでSRB-A分離まで見られるかと思いきや……

プレス席からはなぜかピンポイントで雲にジャマされてしまった

打上げの約27分35秒後に「きく8号」の分離を確認、そして午後4時27分にはサンチャゴ局にてテレメトリデータを受信し、太陽電池パドルの展開が確認された。今後、静止軌道に投入するためのアポジエンジン噴射を4回行い、きく8号の最大の特徴であるLDR(大型展開アンテナ)を、打上げ1週間後の今月25日に展開する予定だ。

打上げの成功を受けて、立川敬二・JAXA理事長は、「今回のH-IIAの最大のミッションは、204型というこれまでに実験していないロケットの打上げを行ったこと。これで全てのラインナップが整ったことになり、(来年度に計画されている)三菱重工への技術移転の準備が整った」とコメント。また、これで7号機からの5機連続の成功となったが、従来からの「同じ機種で20機くらい上げて一人前」という自説を繰り返し、「あと9回成功させて成功率を95%にしたい。こうなれば世界レベルになる」と述べた。

左から、JAXAの河内山治朗理事、立川敬二理事長、宇宙開発委員会の松尾弘毅委員長代理、文部科学省の板谷憲次大臣官房審議官

JAXAは今年1年間で、H-IIAを4機(8/9/10/11号機)、M-Vを2機(8/7号機)、それぞれ全て打上げに成功した。これはH-IIA・6号機の失敗で滞った分の「在庫一掃」(立川理事長)という側面もあるものの、「日本で年間6機も上げたことはなく、画期的なこと。世界に比べるとまだ差はあるが、開発が峠を越えて実用化の段階に来たのではないか」とし、「今年はいい年だった」と1年を総括した。

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