【レポート】

H-IIAロケット11号機打上げ - Y-0ブリーフィング、直前の情報をチェック

    大塚実  [2006/12/15]

    本日(15日)午後1時半からは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・種子島宇宙センターにて、「Y-0プレスブリーフィング」が行われた。出席者は、佐藤寿晃・鹿児島宇宙センター技術課長(企画主任)、遠藤守・H-IIAプロジェクトマネージャ(ロケット主任)、辻畑昭夫・ETS-VIIIプロジェクトマネージャ(衛星主任)の3名。

    会見者は、左から佐藤寿晃・企画主任

    遠藤守・ロケット主任

    辻畑昭夫・衛星主任

    と、ちくはちぞう。彼(?)は今回は専用ヘルメットを着用しての登場

    佐藤企画主任からは、作業状況や天候判断などについての説明があった。ロケット・衛星系ともに大きな問題は起きていないとのことで、現在、打上げに向けたカウントダウン作業が続けられているという。天候に関しては、やはり昨日の予報と同じく、打上げ時間帯には多少の降雨はある見込みだが、本日11時の天候判断では問題なしと判断され、打上げに向けた準備に入っているそうだ。

    作業の状況。機体移動は16日午前2時半からの予定

    天候の予測。打上げ当日の風速は最大8~10m程度と予想

    ロケットの打上げで問題となるのは、主に雨量、風速、雷の有無だ。これらについては条件が設定されており、H-IIAロケット11号機では、発射時に最大瞬間風速が秒速20m以下、雨量が8mm/時以下、雷は半径10km以内に雷雲がないこと、などとなっている。ちなみに11号機は上昇が速いということもあり、風速については多少強くなっているとのこと(条件は毎回変わり、9号機は14.1m、8号機は18.5m、7号機は17.8mとなっていた)。

    前述のように、雨量、風速については問題ないと見られているが、雷については「注意が必要な点が出てきている」と佐藤企画主任。雲の中には多かれ少なかれ電荷はたまっており、0℃からマイナス20℃の層が1.8km以上の厚さがある場合に、ロケットが影響を受ける可能性が高いという。現在の予報ではそれが厚めになってくると予想されており、今後注目していくとした。

    天候の制約について。0℃からマイナス20℃までの「氷結層」が厚くなると注意が必要

    質疑応答にて、今回の意気込みを聞かれた遠藤ロケット主任は、これでH-IIA標準型のラインナップが全て揃う点を強調。「様々な用途に柔軟に対応できるロケットということでこれまで開発してきた。6号機の失敗もあったが、この11号機を成功させることで、H-IIA標準型は本格的に運用段階に入ってくると考えている」とコメントした。

    ちなみに上昇が速いと言われている今回の204型だが、遠藤ロケット主任によれば、初速は「大まかに言って2倍になる」という。ロケットの後ろに「H-IIA・F11」と書かれた鉄塔があるが、この最上部を通過する時間が従来の6秒から3秒程度になるということで、現地で撮影を狙う人などは注意した方がいいだろう。

    ただ初速は増えるものの、機体重量も増えており、全体的な飛行パターンは従来とそれほど変わらない。11号機は第1段・2段の分離を6分48秒後に高度256kmで行うが、同じく静止衛星の打上げだった9号機(この時は2024型)では6分40秒後に分離と、時間的にはほとんど同じ。しかし、これは逆にロケットの強度などの理由で「変わらないようにしている」という側面もあり、SRB-Aの推進剤の形状を工夫するなどして、最高速度は従来の範囲内になるように抑えられているそうだ。

    ところで今回が初フライトとなる204型だが、今後、当面は出番がなく、来年度の打上げが計画されている2機の衛星、「SELENE」(月周回衛星)と「WINDS」(超高速インターネット衛星)では、ともに固体補助ロケット(SSB)付きの202x型が使用される予定となっている。

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