【レポート】
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Mark Carges氏 |
BEAWorld 2006 Beijingの2日目、Business Interaction Division Executive Vice PresidentのMark Carges氏がキーノートを行った。このなかで、WebLogic Server Virtual Edition(WLSVE)が明らかにされた。2007年の上半期に提供される予定。
WLSVEは、"Hypervisor Virtualization"と呼ばれる仮想化環境の上で、OSを介さずにアプリケーションサーバを動かすすもの。同社のJava Virtual Machine (JVM)であるJRockitを仮想化環境向けにカスタマイズした"Liquid VM"をVMware ESX Server hypervisor上で稼働、このVMのうえで専用のWebLogic Serverを稼働させる。
Liquid VMは、Bare Metalのコードネームで呼ばれていたプロジェクトの成果物だ。
「OSを挟まないことでハードウェアを2倍有効利用することができると考える。これまでノードあたり2つのアプリケーションを動かしていたのであれば、4つ動かすことができるようになるだろう」--Mark Carges氏はいわゆる、"Utilization"によるTCOの削減を訴える。
ノード間でアプリケーションの移動が簡単になるのも特徴だ。これまでOSからVM、ミドルウェア、アプリケーションと全てのスタックを動かしていたものが、VM以降だけを動かすだけで済む。
さらに、WLSVEではアプリケーションという単位ではなく、より細かい粒度、サービス単位での移動も可能。つまり、特定のサービスをほかのノードに移動させるときに、サービスそのものとそれに付随するトランザクションだけを効率的に移動させることができる。
「従来なら700GBのヒープを移動させる必要があったケースでも、700MBとか数GBといったスケールのヒープを移動させれば良くなる」(Mark Carges氏)。
OSが不要なのが特徴のWLSVEだが、管理・運用はどうなるのか?--BEAではWebLogic Liquid Operations Controlを2007年夏をめどに提供する予定。ポリシーベースによる自動的なサービスのノード間移動、稼働しているアプリケーションの監視、サービスの追加・削除などを行うことができる。TivoliやOpenViewにプラグインしての利用も可能だ。
こうした特徴により、WLSVEでは、ハードウェアとサービスの組み合わせを柔軟に構成することができる。運用後に負荷の高いサービスを空いているハードウェアに移動させるなどが容易になるからだ。
BEAの"liquid"ビジョンにマッチし、SOA時代にふさわしいアプローチといえるだろう。
いっぽうで、WLSVEを含むBEAの仮想化アプローチは、少なくとも現時点では、ある程度限定的なアプローチととらえた方が良いかもしれない。
まず、Liquid VMはWLSVE専用となる。逆にWLSVEはLiquid VM専用だ。WebLogic Serverは本来、OSの提供する機能無しには動かない。これをハードウェアとHyperVisor、Liquid VMという組み合わせの上で稼働するようにしたのがWLSVEだからだ。
このことを考えると、Liquid VMは正式に"Java" Virtual Machineといえるものではない、つまり、SunのTCKを通過して互換性が保証されたものではないと考えるのが自然だろう。WLSVEについてもJ2EEなどの互換保証はないと考えられる。互換性についての2点についてはBEAからはっきりとした返答は得られなかった。追ってお伝えしたいと考える。
また、OSとHyper Visorの組み合わせについても現在ではIntel/VMWareの組み合わせに限られる。ただ、こちらに関しては、将来的にプラットフォームの組み合わせを広げていきたいという意向が示されている。
Mark Carges氏がJavaOneのキーノートにてBare Metalというコードネームを口にしてから約18カ月、ようやくWLSVEという形になった。上述したような「限定的」という点を考慮しても、BEAの仮想化アプローチはエンタープライズコンピューティングにおけるイノベーション、グリッドコンピューティングの次なるブレイクスルーといえるだろう。
ミドルウェアと呼ばれるものはOSの機能を積極的に使うものではない。J2EEサーバしかり、データベースしかりだ。OSをなくすというのは技術上の制約さえ取り払ってしまえば、自然なアプローチだろう。逆に、この性質を考えると、上述した「限定的」である点も多くの場合障害にならないだろう。なにより、ハードウェアのユーティライゼーション、パフォーマンスの向上、OS運用コストの削減などメリットが大きい。
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