【レポート】
5日、日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)はOracle Management Summit 2006を開催した。開幕にあたり、米Oracleでシニア・バイスプレジデントを務めるディック・ウォルベン氏がスピーチを行った。
ディック・ウォルベン氏は、日本においてオラクルとOISという2つの組織をまたぎ、アプリケーションビジネスを担当している。そのディック・ウォルベン氏が、Management Summitというアプリケーションのイベントで語った内容は、意外にもミドルウェアについてだった。
現在のOracleの強みはデータベースからミドルウェア、アプリケーションという、エンタープライズシステムの大部分を手がけるカバレッジの広さだ。ディック・ウォルベン氏が訴えるのはこの総合力こそがオラクルの価値だということだ。なかでも特にミドルウェアの重要性を訴える。
「標準に準拠したオープンなコンピューティングに投資を続けてきた。これが、オラクルの核であり基礎となっている。この基礎があり、データベースやミドルウェアがあってこそ、買収戦略による拡大を続けることができた。今後も、ここへの投資を継続する」--ディック・ウォルベン氏はオラクルにとっての価値をこのように述べる。
では、顧客にとってのミドルウェアの価値とは何か。
まず、ミドルウェアは、アプリケーションに求められる、多くの機能をこなすことができる。これにより機能を集約、投資効果を高めることができるという点だ。
「今日、多くの企業が情報システムに巨額の投資をしながら、満足のいかない結果しか得ていない、という現状がある。例えば、セキュリティの機能などは新しい法制度への準拠が求められるが、個別のアプリケーションごとにこれを実装していくのは無駄だといえる。Oracleは、Fusion Middlewareでこれを吸収したい。アプリケーション間で機能を共有し、再利用可能なコンポーネントをメンテナンスすることで、複数のアプリケーションを同時にアップグレードできる。コンポーネントのメンテナンスはユーザではなく、Oracleが行う」(ディック・ウォルベン氏)。
効率的な投資--これは比較的わかりやすいだろう。ディック・ウォルベン氏が訴求するもうひとつの利点はミドルウェアを活用することで顧客が新しい成果を徐々に利用できるという点だ。
少しわかりにくいこのメリットだが、ディック・ウォルベン氏は特別講演に登壇した前総務大臣の竹中平蔵氏の話を引き合いに出しながら説明する。
竹中氏の在任中、政府は一連の不良債権処理のため、いくつかの政策を打った。竹中氏は聴衆に向かって、それぞれの政策を知っているか質問したが、多くの人は税金に関する政策しか知らなかったようだ。
目立つ政策は表に現れ、議論もされるが、実際にはそうでない政策がおおい。目立つものだけでなく、多くの動きがあって成果が出るという訳だ。
ディック・ウォルベン氏は、企業に関してもこれは同じことだろうとする。企業がいかに明確なビジョンを持っていても、あるアクションを境にして一夜にして良くなるわけではない。数多くの施策をうちながら徐々に良くなっていくわけだ。
情報システムも同じ。システムをある日一気に入れ替えてても、それによって劇的な改善が図れるものではない。そうなると、徐々にシステムを入れ替えていくことになり、複数の世代にわたった、さまざまなアーキテクチャ、さまざまなテクノロジが採用されたシステムが存在する。
こうしたとき、ミドルウェアはその差異を吸収し、レガシーから多言語環境を含めて接続する助けになる。システム同士を直接つなぐのでなく、ミドルウェアを通して連携することで接続コストを下げることもできる。
こうして、ミドルウェアへの投資を行い、「データベース、ミドルウェア、アプリケーションの全てのレイヤでシンプルで効率的な投資を可能にすることで、パートナーを含んだ幅広いエコシステムを築き、ユーザの投資をイノベーションにつなげる」(ディック・ウォルベン氏)--これがOracleの価値となる。
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