【レポート】
Seymour CrayアワードはCDC6600、CRAY-1などを設計し、スパコンの父とも言えるシーモア・クレイ氏に因んだ賞で、スパコンの発展に大きな貢献のあった人に贈られる賞であり、今年の受賞者は、地球シミュレータを含み、一貫してNECのスパコンを開発してきた渡辺貞(ただし)氏が受賞した。現在、渡辺氏はNECを退職し、理化学研究所において、日本の次期スパコンの開発プロジェクトリーダを勤めておられる。なお、日本人がこの賞を受賞するのは初めてである。
渡辺氏は、同氏がアーキテクトを勤めたNECのSX-1以来の開発から始まり、そして世界的に評価されている地球シミュレータについて説明を行い、そして2010年度に完成予定の次期スパコンについて述べて記念講演を締めくくった。
Sidney Fernbachアワードはスパコンのパイオニア的ユーザである同氏を記念した賞で、スパコンの新しい利用分野を切り開いた人に贈られる賞であり、今年は、ルイジアナ州立大学のEd Seidel教授が受賞した。Seidel教授はブラックホールの研究者で、長年、ブラックホールの振る舞いをスパコンでシミュレートする研究を行い、膨大な計算を行うためのグリッド環境の整備やブラックホールシミュレーションのためのソフトウェア環境の整備を行ってきたことが認められた。
科学の二本柱は理論と実験と言われたが、Seidel教授のブラックホールのような研究は実験は不可能である。また、他の分野でも理論が出来ても式の形では解けず、コンピュータで数値解を求める以外に解が得られない問題が大部分であり、今ではコンピュータシミュレーションは科学を支える第三の柱となっている。この図は理論に基づくシミュレーションによる重力波の予測と、それを観測することにより理論を証明していくというプロセスを表わしている。
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