【インタビュー】

「セキュリティで本当に大事だったのは友達、助けてくれたのは友達」 - NTT Com 小山覚氏

6 NTTコミュニケーションズでの働き甲斐、セキュリティ業界での働き甲斐

冨田秀継  [2006/12/04]

NTTコミュニケーションズでの「働き甲斐」

--以前はアナログ接続からISDN、ISDNからADSLという切り替えが明確にイメージできました。そして今、光接続になっていますよね。では、光の次はどんな回線になるのでしょうか

「次のネットワークは何か。これまではスピードアップの時代だったんですね。安く、速く、快適に。そういう時代はこれからも続きますし、光ファイバーさえあればどんどん速くしていけると思います。スピード競争はこれからも続きますけれど、ちょっと置いといて、いかにエンドユーザに対して安全・安心にインターネットを使ってもらえるか。そのためネットワークがいかに賢くなっていくか。こういうことを追求していくために、Next Generation Network、NGN構想というものがあります。OCNだけではなく、NTTグループ、総務省などの官公庁も含めて、世界的なトレンドとして検討されています」

「例えば、今までネットワークとサーバは別個のものをくっつけていました。これをもう少し親和性の高い、基本的なセキュリティ対策だとか、クオリティコントロールのプラットフォームがあって、今からサーバビジネスを始めますというと、パッと提供できるような形態はないだろうか。あるいは、セキュリティ対策は端末側でやるべきものでした。ファイアウォールだとかウイルス対策だとか、全部端末でやる。しかし、もう少し考えれば、ネットワークに入れておいた方が皆さんが安心して使える、安全になるだろう。あるいは、通信と放送の連携・融合、そういうことを考えると、自宅に光ファイバー1本あれば、CATVも電話もインターネットもそれで済んでしまう。そういった快適なネットワーク環境をどうつくっていくか」

「これはOCNだからというわけでなく、みんなが追いかけている夢だと思うんです。それを技術的にも、サービス的にも、1番になっていくというのがOCNのやることだと思っています。コンシューマに対しては安心して使える快適なインターネットを常にご提供します」

--NTTコミュニケーションズで働いていて、どんなところにやり甲斐を感じますか?

「先ほど阪神・淡路大震災を経験したというお話をしましたが、この会社にいる1番の理由は、この会社で頑張ると世の中のためになるということですね。別にボランティアをやりたいとか、社会貢献したいとか、そんなに深く思ったことはないのですが、この会社で頑張ると、世の中のためになっていくというのを体感できるんです」

「今は管理業務が増えているのですが、私がもう少し若い頃の職場の雰囲気は、大きなサービスを出したいとか、新しい取り組みを始めたいとなれば、死ぬ気で部門を走り回って調整すると、ニュースリリースが出て、会社の取り組みとして世の中に伝わっていったんです。そういう身軽なところがあって結構気に入ってましたね。頑張ったら頑張っただけ成果に繋がる。そんな『働き甲斐』を当時は感じていました」

--働く側ではなく、ユーザ側として、OCNにはどんなメリットがありますか?

「よく言うのはバックボーンネットワークがしっかりしているというところですかね。料金も、比較してみていただければわかると思いますけど、決して高くはないですし。あとはまあ、セキュリティサービスが充実しているという(笑)」

--安全に、安心してインターネットを利用するために、ネットユーザへのアドバイスがありましたら一言

「普通に言われていることをきちんと守れば、余程のことは起きないんです。OSは最新の状態に保つ、今はそれも自動でやってくれますよね。そういう状況を作るということ。それと、オンラインゲームをする人、そしてファイル共有ソフトを使う人は、自分からポートを開けて常にインターネットに接続しています。これは2階の窓を開けて裸で寝ている、あるいは家を留守にしているような状況になりかねないんですよ。そこをどうやって伝えるか、ですね」

--セキュリティソフトを導入していても、アラート画面が煩わしいとか、パフォーマンスに影響があるといった理由で、ゲームをするときだけ止めるユーザもいます

「ただ、ADSLとかBフレッツが普及していて、ルーターの裏側でインターネットを使いますよね。そういう環境で、NAT変換して(プライベートアドレスを使って)いるのであれば、インターネットから直接入ってきませんので、自分から窓を開けていることにはならないです。だから個人レベルで大切なのは、ルーターを使っていて、OSのアップデートをしていて……あとは、不審なファイルは開かないとか、怪しいところに行かないようにしたら、ウイルスが入る余地なんて実はほとんどないんですよ。あとは念のため、ウイルス対策ソフトを入れるとか」

「逆に、近頃はウイルス対策ソフトに検知・駆除されないことを確かめてから、作者はウイルスをばらまいています。するとソフトが対応するまで約24時間は無防備になります。ですので、ウイルス対策ソフトを過信せずに、ちゃんと窓を閉めてインターネットに繋ぐこと、OSのアップデートをすること、そして普通のネチケット。そういう基本動作が大事なんです」

--最後に、これまで情報セキュリティに関わってきた経験の中から、読者に対して最も伝えたいメッセージをどうぞ

「以前、NTTコミュニケーションズにいた飯塚さんという人がいます。彼は『セキュリティの世界がようわからないのはみんな一緒なんだから、健全なCompetition(競争)をするために、まずは高邁なCollaborationから始めようじゃないか』と言いました。そうしてできたのが、Telecom-ISAC Japanなんです。いまでもインターネットのセキュリティ対策に関しては各社惜しまずにノウハウを出し合って情報共有するような取組みが出来ています」

「情報セキュリティの世界では、1人じゃできないことが多すぎる。だから、業界のみんなで議論して意識を共有して、そして役割を分担しながら、持ち場持ち場で必要なことをやっています。実は一社まして1人でできることなんて何もないんです。この業界にいて本当に良かったと思うことは多くの友達が出来たことです。民間のセキュリティ関連企業だけでなく競合他社や通信事業者を監督する立場の役所の方々など、沢山の人々と知り合いになりました。そして長い間付き合うことで互いに助け合えるような人間関係を構築し友達と呼べるようになりました。ほんとに大事だったのは『友達』です。困ったときに助けてくれたのは『友達』なんです」

(撮影=中村浩二)

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