【レポート】

BEAのSOAとは? - 大規模だけじゃない、入り口増やし小規模から段階的に

    大野晋一  [2006/12/02]

    BEA Systemsのここ数年においては、WebLogicという従来の主力製品に加え、AquaLogicビジネスの伸びが注目される。AquaLogicはアプリケーションをサービスコンポーネントとして定義し、コンポジションによって柔軟なシステムを構築する、SOAのためのサービスインフラだ。この延長上には当然さらなるSOA戦略の強化がある。9月、米国で開催されたBEA Worldでは「SOA 360°」という名の下に新しいプラットフォームが提唱された。

    SOA 360°の実体はどういったものなのか、国内でSOAソリューションをどう展開するのか、どういった導入を予想しているのか--29日、都内で開催されたBEA JapanForumでは、「SOA」が最大の関心事項となった。本稿では国内におけるSOA施策とBEAの視点を交えた国内SOA市場の様子についてお伝えしよう。

    日本BEAシステムズの廣川裕司代表取締役は「ビジネスに勝つことが最終的な目的。ここで必要なのがスピード。変化に対応するスピードをもたらすためにSOAが必要」と改めて訴える。

    同氏がSOAのもう一つの価値として訴求するのは「シェア」するということ。データ・プロセス・サービスを共有することこそがSOAの価値、というわけだ。

    そして、SOAはコンポジション--「つなぐ」ことによるサービス提供を行う。これまではシステムどうしをつなぐことに関心が集まったが、今後は「システム・人・事業の3者を最適な形でつなぐ」(廣川氏)。人と事業の接続を実現するのがBEA AquaLogic IntegratorとBEA Aqualogic BPM Suiteだ。

    スピード、シェア、コンポジション--BEAはこうしたSOAの価値をパートナーや顧客にいかに提供するのか。

    まず、国内でもBEA AquaLogic Integratorの出荷が30日より開始される。また、BEA Aqualogic BPM Suiteについて期間限定の値下げキャンペーンが展開されるほか、AquaLogic Service Bus/Service Registryの価格引き下げも行う。それぞれ20%という下げ幅となる。

    こうした施策によって、企業全体ではなく個々のプロジェクトからのSOA導入を促進する。「国内においてもこうした(小規模導入の)要望がでてきた。これに応える」と廣川氏。市場はすでにSOAの「お試し」段階を過ぎ、SOAを浸透させる段階にあるということだろう。

    BEA AquaLogic IntegratorとBEA Aqualogic BPM Suiteという製品そのものも、小規模導入を助けるものになりうる。つまり、従来の前提条件であった、新規IT基盤の構築、グランドデザインされたSOAのための最適システムは必ずしも必要なく、ポータル・BPMからの部分的な導入が可能となるということだ。

    こうしたSOAの段階的な導入は、日本HPや日本オラクルも同様の提案を行っている。また、あるベンダ幹部は「SOAそのものを目的にしてしまうとそのプロジェクトは確実に失敗するだろう。まずは既存のシステムからのコンポーネント抽出・定義を足がかりに、段階的にSOAを取り入れるべき」とする。

    まずは小規模から--これは市場の要望から来る必然的な流れと見て良さそうだ。

    BEAの販売施策もこうした流れに呼応したものだろう。営業体制としても、トップエンドの大規模顧客で培ったノウハウを、中堅・小規模の顧客にまでコストを抑えながら提供できるスキームを確立する。

    同社マーケティング本部本部長篠原克志氏は、現在の国内におけるBEAの注力を"PAT"の3文字で表す。つまり、Partnar/AquaLogic/Talent--パートナー戦略の強化、AquaLogicへの注力、社員教育の強化だ。同氏は、こうした一連の取り組みによって「BEAはSOA実装のための会社として本格的に生まれ変わる」とする。

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