【レポート】

クリエイターが創るPhotoshopのイベント - Photoshop world『BIG DEBAT』

2 ユーザーにとって、バージョンアップよりも重要なこと

笠井美史乃  [2006/11/30]

「Photoshop CS3」を海賊が披露

続いて、来春に米国でリリースが予定されているという「Photoshop CS3」のデモが行われた。

ここでは助っ人として、初代Photoshop開発者の1人である"Photoshopの伝道師"、ラッセル・ブラウン氏がステージに登場。毎回、奇抜な衣装と愉快なトークで驚くべきTipsを披露してくれる同氏には、日本にもファンが多い。今回はなんと例の海賊の衣装で登場した。

「Photoshopの秘宝を求め、7つの海を渡った男」として登場。物まねなどでひとしきり会場を盛りあげてから、デモ用マシンの前に。通訳の方も海賊姿だ

海賊がデモ画像にも登場、スマートフィルタ機能を披露した

海賊はまず、ロイアコノ氏と時計をあわせてCS3を起動、なんと約5秒で起動し、会場からは驚きの唸りがあがった。続いて、パレットやツールボックスのレイアウトが一層柔軟になっている点も操作して見せた。さらに、新機能「スマートフィルタ」により、もとのピクセルに影響を与えずにフィルタをかけられることが、"海賊"の写真を使って紹介された。

最後に、アニメーションの機能が披露された。モーショングラフィックをサポートする機能が搭載され、ビデオを1コマ1コマ編集できるというものだ。この機能について具体的な操作は示されなかったが、Photoshopの新しい可能性として期待したい。

船が右から左へ移動するアニメーション。会場から拍手が起こると、スクリーンには海賊のシルエットが踊った

Dr.ラッセル・ブラウン、ビールへの道

後半は、Dr.ラッセル・ブラウンによる「ラッセル・ブラウン・ショー」。ブラウン氏が、逆立った白髪に白衣と水玉ネクタイ姿で登場した。

アメリカでも同様のセッションが行われており、同氏の定番キャラのようだ。左は毎回同氏のセッションをサポート・通訳する遠藤氏

Photoshopの奥義を披露すべく壇上に立ったDr.ブラウンだが、PhotoshopではなくなぜかiTuneを起動した。「Russell Brown」で検索すると、現れたのは「ラッセル・ブラウン・ショー」の画面。同氏がPhotoshopのTipsを披露するビデオPodcastで、日本語字幕付きのものが配信されている。

「スバラシイ、クール、ためになる、というカスタマーレビューを投稿してくれたまえ」とドクター。「それは"ヤラセ"ですよ」と通訳の遠藤氏からツッコミが

静かに聞く来場者が多い中、目立ったリアクションを取ってくれた人に「キミにはAdobeのキャップをあげよう。明日ね」と会場を巻き込む

続いて本題へ。ラッセル・ブラウン・ショー、本日のお題は、テキストに関する16のTips。だが、エンターテインに傾くとつい時間が長くなりがちなドクターは、「時間内に16コ全部が終わらないと、今日はビールなしって言われているんだ」と巻きぎみで進行する。

紹介されたTipsをいくつか挙げると、

  • テキストの入力が途中でも、コマンド(Ctrl)を押しながらドラッグすると、入力エリアの位置やサイズを動かせる
  • テキストレイヤーが複数あり、テキストツールで下のレイヤーが選択されてしまうときは、Shiftを押しながら画面をクリックすると強制的に新規テキストレイヤーが作られる
  • テキストを縦書きにする……は、日本の方ならみんな知っていますね、とスルー

最後に紹介された、文字をドットで描くTips。あらかじめ用意したレイヤーを次々に切り替えて技を披露する

「ビールはダメって言われたけど、Sakeはいいってことかな」とつぶやきながらも進行してきたショーだが、ついに時間切れ。14コ目にして以下略となった。

最後は再び鈴木氏、川本氏、ロイアコノ氏が壇上に。終始時間を気にしていたDr.ブラウンには、川本氏から無事缶ビールが手渡された。

ビールを受け取るDr.ブラウン。「えっ、これ?」……銘柄にも希望があったようだ

イベントのメイングラフィックである龍虎図を大胆にプリントしたTシャツが、会場に投げ入れられた

CS2はリリースされて時間の経った製品のため、あっと驚くような新機能の紹介は無かったが、ユーザーにとっては一瞬の目新しさよりも使いこなすことのほうが重要だ。

導入したツールをどれだけ使いこなすか、という点について、個人で開拓できる範囲には限度がある。自己流に陥ったり、または社内のローカルルールに縛られてしまう場合もあるだろう。メーカー主催イベントや展示会出展が縮小傾向にある現在、他のユーザーと出会い、対話できる今回のイベントは、Photoshopユーザーというだけでなく、1クリエイターにとって貴重な機会だったと言えるだろう。

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