【レポート】
このところ中国のインターネット業界では、GoogleによるYouTube買収は到底理解できないという声が上がっている。それもそのはずだ。YouTubeのビジネスモデルには明らかな欠陥が潜んでいるし、著作権侵害ではしばしば裁判沙汰になったこともある。しかし、Googleが16.5億ドルというとてつもない金額でYouTubeを買収したニュースが、中国国内の動画配信・動画配信サイトへ投資する者たちを熱狂させたことは間違いない。
過去1年を通じ、中国国内で新たに出現した数百にも及ぶ動画配信・映像提供サイトには、いつしかバブルの兆しすら漂い始めていた。長い間棚上げにされてきた収益モデルという難題も、こうしたサイトの将来に不安の影を落としてきた。しかし、「YouTube神話」の出現が、映像というバブルをこれまで以上に巨大なものに膨らませた。動画配信サイトが潜在的な金鉱なのか、はたまた、はかなくも消えていくべきか弱い花なのか――これは、全ての投資者が、いま考えこまざるを得ない難題なのである。
海外では、YouTubeによって引き起こされた映像ブームはとどまるところを知らず、幾多の資本により、いまや頂点にまで押し上げられた感がある。一方、中国国内においても、YouTubeが参入してきてからわずか1年の間に、土豆網、中国播客網、六間房(6room)など150近くの動画配信サイトが現れた。そのうち、ベンチャーキャピタルからの出資を受けた動画配信サイトが10以上もある。
こうして、少なからぬ数の「二次創業」のインターネット企業の大立者たちが、動画配信サイトに群がった。世界的に有名な映像検索サイト、Blinkxの「中国兄弟」であるOpenVの出現が、さらにマスコミの注目を集めるところとなった。
今年中には中国の映像検索市場規模が0.23億元に達すると言われている。2007年には0.60億元に達し、160.9%もの急成長が見込まれているのだ。2010年に至っては、予想数字ではあるが、当該市場規模が2.80億元に達するとされている。もちろん検索市場は映像産業全体のほんの一部に過ぎない。映像サイト間では、すでに電信運営キャリア、コンテンツ業者、コンテンツブローカー、P2P技術サプライヤー、映像検索、リッチメディア広告技術サプライヤー、広告代理店などを含む一連の産業チェーンができあがっている。
しかし有効なビジネスモデルがこれまで見当たらなかったため、中国国内外の多くの映像サイトが今に至るもほとんど収益がないという苦しい状況にある。つまり、いったん資本からの支持が途絶えれば、一世を風靡したこの「札束を燃やす運動」も、たちまちどん底に陥る恐れがあるというわけだ。見た目は豪勢にみえる産業チェーンも、一瞬にして音を立てて崩れてしまう可能性があるのだ。つい最近のことだが、新伝グループ、UUSeeなどの新興映像サイトから人員削減のうわさが伝わり、多くの映像サイトが緊張したものだ。
このように、YouTube神話がもたらした狂騒の背後で、深刻な危機感、不安感が多くの映像サイトに蔓延しているのである。もちろん、動画配信サイト間の競争も熾烈。資本の乏しい中国版YouTube式動画配信サイトの前途には、幾多の試練が待ち受けている。
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