【レポート】

今年は垂直離着陸コンテスト、民間宇宙機の祭典「X PRIZE CUP」開催される

2 日本から初の出展も

    箱田雅彦  [2006/11/17]

    「Lunar Lander Challenge(LLC)」「Vertical Lander Challenge(VLC)」

    垂直離着陸機のコンペティションには「Lunar Lander Challenge(LLC)」と「Vertical Lander Challenge(VLC)」の2つのカテゴリがある。課せられる課題は共に「垂直に50m上昇し、100m先の地点に着陸し、さらにまた同じ経路を戻ってくる」というものだが、これに付加される条件はLLCの方がより厳しいものになっている。VLCは最低飛行時間90秒、着陸地点はflat(平ら)と定められているのに対し、LLCは最低飛行時間180秒、着陸地点の形状はrocky(岩だらけ)だ。

    これに挑戦するチームは当初3チームとされていたが、結局は1チームのみとなってしまった。その1チームこそ、昨年もデモ飛行を披露したArmadillo Aerospace(アルマジロ・エアロスペース)だ。同社代表のJohn Carmack氏は大ヒットしたゲーム「DOOM」や「QUAKE」の開発者でもある。昨年は1回目のデモで着地後に機体が倒れて2回目以降のデモができなくなってしまったこともあり、今年はぜひ雪辱を果たしてほしかった。ところが、飛行自体はうまくいったものの着地時に脚が折れるなどのトラブルがあり、残念ながら今年も大成功とはいかなかったようだ。

    2日目のチャレンジを前にフライトについて語るジョン・カーマック氏

    John Carmack氏は会社のサイト上で実施までに起こったトラブルや課題について語っている。技術者らしく技術的な記述が多い中、離陸時に機体が傾いてエンジンが自動停止して落下した後の「Sigh.(はぁ……)」というため息がその時の彼の気持ちを一番リアルに表現しているのかもしれない。

    飛行しているビデオはWebサイト「Wirefly X PRIZE Cup On-Demand Video Archives」から見ることができる。

    ジョン・カーマック氏とPixel

    チーム・ジャパン

    早朝、準備中のチーム・ジャパンブース

    そして今年は日本から初めての出展があった年でもある。それが18の企業・団体による「チーム・ジャパン」だ。

    展示ブースではHASTIC(北海道宇宙科学技術創成センター)のCAMUIロケットの展示をはじめ、ビデオ映像による日本の宇宙開発紹介やロケットプレーン・キスラー社とのタイアップによるTシャツ販売も行われ、大いに注目を集めていた。また、先ごろ結果が発表された宇宙服コンテスト「スペース・クチュール・デザイン・コンテスト」の展示では自分が気に入ったデザインの宇宙服を指差しあうグループの姿が目立った。

    CAMUIロケット

    しかも展示だけではなく、日本文化をアピールすべく、フードエリアにも参加している。屋台を模したブースを出店し、大きな日本語ののぼりや、焼きそばや照り焼きを焼くパフォーマンスで客の入りは上々だった。両日共に長蛇の列を作る人気で、特に照り焼きは一時注文をストップしなければならないほどの盛況ぶりを見せていた。

    フードエリアで盛況の日本ブース

    X PRIZE Foundation代表のPeter H. Diamandis氏も日本チームの参加を歓迎するコメントを寄せている。

    「今回、日本人のチームもすばらしい仕事をしてくれました。日本にとっても、X PRIZE CUPが魅力的なイベントになることを願っています。今後は、実際にハードウェアを持ってきてデモンストレーションしてほしいし、民間宇宙産業に参加することは大いに歓迎するので、是非来てほしいと思っています。」

    当日には参加団体のひとつ、有人ロケット研究会が中心となったツアー参加者も加わった。総勢で約20名に及ぶ日本人の参加があったことも、またひとつの成果といえる。次回につながる日本チームの参加となった。

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