【レポート】

危機管理産業展2006 - 自動車、飛行機、VTOLまで、国産の無人機が勢揃い

1 地上走行の無人ビークル

    大塚実  [2006/11/14]

    リスク管理・防犯・防災に関する製品やサービスを一堂に集めた「危機管理産業展2006」(RISCON TOKYO)が10月24日から26日までの3日間、東京ビッグサイトにて開催された。昨年、初めて実施された展示会で、開催は今年で2回目。取り扱う製品・サービスはIT系からテロ・災害対策まで幅広いが、本レポートでは主にロボット技術を応用したシステムに注目してみたい。

    危機管理産業展2006の会場。ブースの説明員も、黒い服の人たちが妙に多かった

    自律走行が可能な無人ビークル

    日立製作所は屋外特設会場にて、「監視用無人走行ビークル」のデモを行っていた(25日午後のみ)。これは全長2.4m、重量500kgの無人走行車で、取り付けられた各種センサーにより、設定した経路を自律的に走行することができる。当日のデモでは、障害物検知、S字カーブ走行のほか、遠隔操作による不審物処理の様子が披露された。

    日立の「監視用無人走行ビークル」。昨年は展示のみで、デモは今回が初めてという

    操作は2人で行う。車輌の運転用とマニピュレータの操作用の、2つのコントローラがある

    本来はGPSで現在位置を取得できるのだが、今回はデモということで、あえてGPSアンテナを取り外し、周囲のセンシングのみで自律走行させた。この無人走行ビークルが想定するのは都市部での活動で、ビルの陰になってGPSが使えないケースも多くなる。今回のデモはそういった状況を再現したもので、精度はGPSに及ばないものの、INSセンサー(加速度・方向など)の情報と車輪の回転数から、自分の位置を判断できるようになっている。

    車体前方のカメラ(上)とレーザーレーダー(下)。このレーザーレーダーは障害物の検知用

    アームの上部に付いている周辺監視カメラ(上)と路肩検知用のレーザーレーダー(下)

    地図データから経路を指定し、自動的に巡回させることが可能。また、車体やマニピュレータにはカメラも搭載されており、その映像を見ながら、遠隔操作することもできる。通信方式は、無線LANのアドホック通信が採用されており、指揮所との距離が遠い場合には、中継器をビークル自身が設置していくことも考えられているそうだ。

    動画
    S字走行のデモ。路肩検知用のレーザーレーダーを装備しており、道なりに進むことができる。リチウムイオンバッテリにより、20kmの走行が可能。最高速度は時速30kmと結構早い (WMV形式 20秒 913KB)
    不審物撤去のデモ。が、急に前進してしまい、バッグを倒してしまう。明らかな操作ミスだが、説明員も「これで爆発していても、人的被害はゼロ」と苦笑するしかなかった (WMV形式 8秒 411KB)

    2年ほど前から研究開発が始まったそうで、3年後には販売できるレベルにまで持って行きたい、とのこと。

    クローラ方式の防災支援ロボット

    三菱重工業は、直前に発表したばかりの防災支援ロボット「MHI MARS-G」を展示していた。人が近づけないようなテロ現場、災害現場での活動を考えたもので、カメラや各種センサーにより、いち早く現場の状況を把握することができる。1台当たりの標準価格は2,000万円。

    「MHI MARS-G」。オプションで、ガス濃度、放射線などの各種検知機も搭載可能

    前後左右のカメラの映像を見ながら、2本のジョイスティックで遠隔操作できる

    同社は、東海村JCOの臨界事故を契機に防災支援ロボットの開発に取り組み、2002年には初号機の「MHI MARS-i」を開発。今回のMARS-Gは4世代目となるもので、大きさは50(W)×100(D)×40(H)cm、アルミパイプフレーム構造の採用により、重量は約55kgと従来よりも約30%軽量化されている。

    クローラ方式により、傾斜角45度までの階段・不整地を走行できるのが特徴。最高速度は平地で時速6km程度。電源はリチウムイオンバッテリを搭載しており、2時間以上の駆動が可能となっている。

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