【レポート】

Mac OS X Leopard続報公開 - Top Secretはどこまで明らかに?

6 解像度非依存ユーザインタフェース

    木下誠  [2006/11/01]

    最後に紹介するのは、取り扱いは地味だが、Macの見た目を劇的に変える可能性を持つものだ。Leopardでいよいよ本格的に導入される、解像度非依存ユーザインタフェースだ。

    Macは登場当初、画面表示と印刷結果を同一サイズにするため(WYSIWYGと呼ばれていた)、画面のピクセルサイズを72dpi(dot per inch)に設定していた。その後、液晶モニタが登場し、画面の解像度が高くなるにつれて、実際のピクセルサイズは小さくなりつつある。たとえば、現行の30インチシネマディスプレイの場合、ピクセルサイズは0.250mm(= 0.00984 inch)、つまり100dpiとなっている。ディスプレイの技術の発展により、実際にはさらに細かいピクセルサイズも可能だろう。しかし、高すぎる解像度は、ユーザインタフェースの表示を小さくしてしまい、操作が困難になる。

    そこで求められるのが、解像度非依存ユーザインタフェースだ。いままでは、ユーザインタフェースの描画はピクセル数で固定されていたが、これを変更できるようにするものだ。

    どのような効果が得られるか、分かりやすく説明しよう。たとえば、ピクセルサイズがいままでの半分となる144dpiのモニタを作ったとする。このモニタに、ユーザインタフェースをいままで通りに表示すると、見た目のサイズも縦横ともに半分になってしまい、見づらいし、操作も困難になる。

    だがここで、ユーザインタフェースを描画するときの解像度を倍にしてやる。たとえば、いままでは12ポイントの文字を描画するのに12ピクセル使っていたのを、24ピクセル使うようにする訳だ。すると、見た目のサイズは元に戻る。かつ、使用するピクセル数が倍に増える。つまり、高精度な表示が可能になるのだ。

    この機能は、実はTigerでも体験できる。Developer Toolsに付属する、Quartz Debugアプリケーションを使うのだ。Quartz Debugを起動して、[Tools]→[Show User Interface Resolution]メニューを選択する。ここで、ユーザインタフェースの解像度を変更できる。

    上の図は、計算機を108dpiで、Safariを144dpiで起動してみたものだ。現在のところ、単に表示が大きくなっているだけだが、これを高い解像度のモニタで表示すれば、サイズはそのままに高精度な表示となる。

    さて、このように解像度非依存ユーザインタフェースの基盤はすでにある訳だが、その導入がLeopardまで延期されているのは理由がある。それは、アプリケーションの対応が必要になるためだ。

    仮に、解像度非依存に対応していないアプリケーションを、そのまま高精度なモニタで動作させると、もやっとした表示になってしまうだろう。せっかくの高精度を活かしきれないのだ。

    アプリケーションでの対応としては、まずピクセル依存の描画を行わないようにする。そのためには、QuickDrawのようなビットマップベースAPIではなく、Quartzのようなピクセル非依存の描画ライブラリを使うようにする。そして、これが重要なのだが、画像リソースもすべて解像度非依存のものを用意しなくてはいけない。

    パーフェクトな方法は、ベクトルベースで画像リソースを用意する事だ。だが、アイコンのように、フォトリアリスティックな表示が求められている場合、これは難しい。そこで、あらかじめ高精度表示に対応したリソースを用意しておくことになる。つまり、大きめの画像を作るのだ。Leopardでは、アイコンも512x512のものを用意する必要があるだろう。

    画像リソースの一新は、開発者に加えてデザイナにとっても大きい負担になるだろう。そこで、高精度のMacBookやシネマディスプレイの登場を期待したい。これらが、高精度ユーザインタフェースでどれほど画面表示が美しくなるのかを示してほしいものだ。

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