【ハウツー】
Flash 9 ActionScript 3.0 Previewは、まだパブリックアルファの段階だ。したがって、たとえばonReleaseOutsideに相当するマウスイベントも実装されるかもしれない。しかし、実装されなかったとしても、筆者はそれほど心配する必要はないと考えている。おそらく高い確率で、こうした不足を補うクラスが、次期Flashオーサリングツールに同梱されて出荷されると思われる。もしそれが不十分だったら、誰かが遅かれ早かれ、追加のクラスを書いて公開するだろう。実は、これがActionScript 3.0を使う、隠れた大きなメリットなのだ。
ActionScript 3.0は、Flash Player 9で新たに開発された専用の仮想マシンAVM(ActionScript Virtual Machine) 2で動作するため、処理がきわめて高速になる。しかし、それはおもにスクリプトに関わる処理についてのことだ。描画やテキスト、サウンドなどの処理は、ActionScript 1.0/2.0が動作するAVM1と共通である(図005)[*19]。
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図005 Flash Player 9のアーキテクチャ |
つまり、その共通部分のエンジンは、従来のFlash Playerの設計をベースにした改善が加えられているのであって、根本的な変更はない。したがって、多くのビジュアル表現を主体にしたFlashコンテンツでは、ActionScript 3.0により処理速度が明らかに変わってくる例は、それほど多くはないと思われる。
むしろ開発環境としては、ビジュアル表現の処理速度より、開発したクラスの処理がActionScript定義済みのクラスと遜色ない速度で行われることの意味が大きい。これにより、クラスを作成し、さらに汎用化して、公開するという意欲が高まる。出荷時の次期Flashアプリケーションにない機能や不便な処理も、そうしたクラスの開発により実現可能になったり、便利になったりするだろう。
たとえば、ActionScript 3.0で扱いやすくなったXMLや機能強化された文字列を処理するユーティリティ的なクラスや、いまだ実装されていない3次元座標を扱うクラスなどは、世界中の誰かが開発し公開する可能性は少なくない。そうなれば、それらをFlashアプリケーションに追加しさえすれば、ActionScript定義済みクラスと同じ感覚で、それらのクラスが利用できるということだ。
ActionScript 3.0は、クラスを開発する環境を向上させるだけでなく、それらの資産を共有したり利用する環境も大きく拡げてくれることが期待されるのである。
[*19] 前出注[*1]の記事のほか、「【レポート】ActionScript 3デビューセミナー - その真価を探る」を参考にしてほしい。
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