【レポート】

アックゼロヨン・セミナー2006 Vol.3 - 大規模サイトを作るとき何が起こるのか

4 クライアントの言葉の裏にあるものを理解する

    木達一仁  [2006/10/31]

    デザインプロセスにおいて、求められていることは最低限表現できているか、本来伝えるべきとを忘れてはいないか、など、常に立ち戻りながら繰り返し確認していくことが日常的に必要。表層的なものの配置に話が移る前に意味的に正しいかどうか、正しい日本語かどうか、文脈は問題ないのか、そういった部分を含めて表現するための設計に落としていく必要を説いた。

    たとえば、依頼主からデザインのある部分をいきなり「赤くしてください」と言われたとしても、何のために赤くするのかがわからなければそれはできない。「赤くして欲しい」という言葉の裏に何があるのか? それは実は重要なことではないのか? 依頼主と一緒に考えなければならない。理由を理解したうえでアクションを起こせないようでは、デザイナーとしては怠慢であろう、と語った。

    最後にPanasonic(松下電器産業)「Experience Color」のほか、SUBARU(富士重工)、JAL(日本航空)における事例が紹介された。なかでもJALの事例については、基本的にユーザーがログインして使うサイトであることが事前にアクセス解析から分かっており、トップページよりも重要な位置づけであった空席照会結果画面からデザインをスタートしたというエピソードが印象深かった。

    質疑応答

    会場からまず最初に、IAの仕事とアート系の仕事の相関について尋ねる質問があった。IAとアートディレクター(AD)の業務範囲でオーバーラップしている部分は比較的多く、佐藤氏の場合視覚的情報のデザインはAD、機能的デザインはIAという切り分けをしているが、そのどちらか一方が他方をリードするというわけでもないという。場合によってはIAがクリエイティブ領域まで踏み込むケースもあり、IAとADそれぞれの考えるべきことにある程度の枠組みはあるが、そこを超えたところで意見をぶつけあい、良い物を作るというスタンスらしい。ワークフローはあるが、どこまで誰がという定義はなく、個々のコアスキルを中心に作業範囲を決める(人の組み合わせによって変わる)。そういう意味では、どうプロジェクトを組み立てるかという点で、プロジェクトマネージャーの手腕が問われるのだという。

    また、より上位の目的を達成したかどうかの評価方法についての質問があった。各種支援ツールを用いて成果物の有無を確認するほか、プロセスがうまくいっているかどうかは定期的に社内レビューを実施するようにしている、とのこと。

    SUBARUやVIERAの事例で、プランニングはどう実行しているのか? との質問には、プロモーション/ブランディング系案件では文脈づくりに時間をかけ、社外からコピーライターに参加してもらう場合もあるが、まずは社内でしっかり検討する、と茂手木氏。その一例として、富士フイルムのコンテンツ「FORESTS FOREVER」の事例では、英文メッセージは翻訳会社の作成したものをそのまま載せるのではなく社内で検討のうえ調整している、というエピソードが紹介された。

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